この面白さよ、誰かにつたわれ③

以前の記事はこちら。

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「ループもの」というジャンルがある。代表例は『ハルヒ』の「エンドレスエイト」など。今回は、ここ一年くらいで触れた「ループもの」について語ろう。


余談だが、大学時代に「エンドレスエイト」を哲学で読み解く講義を受けた。この講義は、最後まで何を言っているのか分からなかった。単位は来た。

注意:「ループもの」は、その構造自体が重要なトリックになっていることが多い。
つまりこの記事では、コンテンツのトリックを壮大にネタバレしてしまっている。
ネタバレを避けたい人は、今すぐにこのページを閉じて別の記事を読んで欲しい。

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①フジテレビ『霜降り明星・粗品が今一番やりたい企画TV』

霜降り明星・粗品の『R-1ぐらんぷり』優勝特番として企画・放送された番組。
多分に「エンドレスエイト」の影響を受けている。「東方」や「ニコニコ」の話題を良く出すことからも、粗品が00年代のサブカルチャーを浴びて思春期を過ごしたことがよく分かる。

粗品が「50音のツッコミを揃えなければ出られない世界」に閉じ込められてしまう。
世界から脱出するためにニッチな例えツッコミを駆使し、最終的にはループから脱出する。

「猫ふんじゃった」が使われている、ナレーターが「最上もが」であるなど、随所に「ループ」や「繰り返し」を示唆する仕掛けが散りばめられている。

粗品は「構造の笑い」が好きだ。凝ったシステムを作りたがる。
『ドリームマッチ2020』においても、チョコプラ・松尾と共に「サーモグラフィ」を用いた、どんでん返しのあるコント作り上げていた。霜降り明星として活動するときは、せいやと上手く中和してアクが取れた漫才になっているのだろう。


②あさぎーにょ『もう限界。無理。逃げ出したい。』

これは一度見てほしいので、詳しい言及を避ける。ループが肝の作品ではあるが、それを理解した上でこの動画を見ても、作品の持つ価値は落ちない。

繰り返していく日々に次第に喪失感を感じていく。これは彼女だけでなく、私たちの物語でもある。「明日は何しようかな」と思うことが、今日と違う明日を作る秘訣なんだ。


③カメイドタートルズ『女子編集者の私が亀戸でイケメンとデートした結果…』

厳密には「コンテンツ」では無いのだが、珍しい試みが幾つも見受けられる意欲的な記事なので言及したい。

まず、ループ能力を使用する目的が明確なことは珍しい。
ル―プに巻き込まれてしまう人は、大いなる力によってループに閉じ込められてしまうといったことがほとんどだろう。物語は「ループの理由」ではなく、「ループを抜け出す方法」に主軸が置かれる。しかしこの記事では、ループの使用者が、能力の行使理由について完結に述べている。

また、ループが終わらないのも珍しい。
「ループもの」は、ループの原因を突き止め、ループしないルートへと向かって物語としての終わりを迎える。だが、元来物語など存在しない「記事」というメディアであることを活かして、ループの終了を明示させずに終わる。あくまでこの記事が「亀戸をPRすること」を目的に書かれているからこそ成立する「無限ループエンド」である。


どうだろうか、「ループもの」に興味を持ってもらえただろうか?

え? 興味持てなかったって??


………




では興味を持てるまで話そう。








「ループもの」というジャンルがある。代表例は『ハルヒ』の「エンドレスエイト」など。今回は、ここ一年くらいで触れた「ループもの」について語ろう。


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