見出し画像

占星術雑感:「自己責任論」と「日本死ね」

Twitter見てるとここ数年で辛さを表明する機会や術を持たなかった人たちが発信できるツールとして認知されるようになったと思う。個人的には「保育園入れなかった日本死ね」のはてなブログへの投稿に賛同するつぶやきがTwitterに投稿された2016年あたりが始まりなんじゃないか、と思っている。

今まで認識されにくかったけど確かに存在する様々な辛い状況の発信に対し、似た境遇の人の間で共感が広がるケースもよく見かけるようになった。テーマによっては社会システムがおかしいことへの共感も広がり、そこからの「じゃあ何をすれば良いかな?」と自分なりにできる行動を考えるフェイズに移行するという人もいると思います。

全体で見るとTwitterの闇鍋感はますます濃くなっていますが()テーマによっては情報が拡散されてそこからの連帯意識の醸成、行動の糸口の発見、という良い面での作用もあると感じる。

さて、「保育園入れなかった 日本死ね」は自己責任論へのカウンターとも捉えられる、と思っているんですが(実際、保育園の待機児童問題は自分一人でどうこうできる範疇を明らかに超えている)、「自己責任論」という言葉がよく使われ始めた時期と「保育園~」はてブへの共感が広がった時期が、いずれも木星が乙女座に滞在した時期だったことを興味深く思い、このつぶやきを書いています。

「自己責任論」という言葉が出てきた2004年4月(イラクでの日本人人質事件が発端)の天体配置は、冥王星が射手座、海王星が水瓶座、天王星が魚座、とトランスサタニアンのサインはホット優勢。社会天体は土星が蟹座、木星が乙女座とどちらもコールド。

バブルははじけたものの社会全体の空気はまだイケイケで、各々好き勝手にやろうという雰囲気が残っている中(トランスサタニアンのサインがホット優勢)、政治家の発言によって「自分の選択の責任は自分で取れ」「自分のことは自分でやれ」という自己責任論が広がった。

乙女座の象意は自給自足、自己調整が含まれる。その乙女座に木星が滞在しているときに「自己責任」という言葉がポピュラーになったのは興味深い符合ですね。「規範からはみ出ない身内は助けるけどそうでなければ助けない」ともとれる論調は、蟹座に滞在していた土星と連動したのかもしれない(ちなみに「自己責任」は太陽星座蟹座の小池百合子さんの発言が発端)。

下記記事を参照し、「自己責任」と言う言葉を含む小池百合子氏のコメントが新聞に掲載された2004年4月9日(時刻は12:00)でホロスコープを作成

一方、「日本死ね」のはてブが投稿された2016年2月は、2004年と同じく木星が乙女座に滞在。木星が12年かけて太陽の周りを1周し、乙女座に戻ってきた時期ですね。

ただ、冥王星は山羊座、海王星は魚座、天王星は牡羊座に滞在、とトランスサタニアンはコールド優勢に。社会的にはイケイケ&各々好き勝手にやれというムードはもうなく、景気は良くなっているはずなのに賃金上昇は見込めず、お菓子は徐々に小さくなり…と日本にじり貧ムードが本格的に漂い始めたあたり。

そこへ、働いて自分の力で稼ごうとするもそれをサポートする具体的な社会システムが足りないことへの強烈なツッコミを入れた「日本死ね」が投稿され、共感が広がったと考えられる。土星は射手座に滞在中で、政治に対し真っ向から異を唱える姿勢も共感を呼んだのでは。

「保育園落ちた日本死ね!!!」がはてなブログに投稿された2016年2月15日17:17(場所は東京に勝手に設定しました)でホロスコープを作成。太陽がディセンダント、火星がICに合なのも味わい深すぎる

そのようなわけで、「自己責任」というテーマが、木星のサインが同じ乙女座に滞在しているときにかたちを変えてリフレインしているように思われ、興味深いです。

これをふまえると、2026年にトランスサタニアンが全てホットサインに移行し、2027~2028年に木星が再び乙女座に滞在するころには「自己責任論2.0」的な言説と格差が広がる可能性もあるかも。

土星が魚座に滞在している間(~2026年2月)に自助ではなく公助、生きやすさを助ける社会システムへ少しでも移行…はおそらくできないにしても、自助だけではもうどうにもならんから公助を充実させるようシステムから変える必要あるよね、という意識を少しでも醸成しておくことが自己責任の行き過ぎを食い止めることができるのかも?とか考えてみたりした。
・・・

西洋占星術の鑑定を承っております↓


サポートはさらなる学びと発信のために使わせていただきます。