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小江戸川越 街絵 ②


大正時代を知らないにも関わらず、大正浪漫夢通りで懐かしく感じるのはなぜだろう?

人は自分が知らない昔のたたずまいに触れた時、時間がゆっくりと流れていることに気付き同じ様に自分の幼い頃にもゆっくりと時が動いていた記憶とが重なり懐かしさを感じるのだと思う。

□商工会議所 (旧武州銀行)

絵ごころポイント : ギリシャ柱

大正浪漫夢通りを歩いていると、突き当り角に異彩を放つ建造物が見えてくる。ギリシャ神殿を思わせる洋館、川越商工会議所(旧武州銀行)だ。

このギリシャ神殿風デザインは日本銀行をはじめいくつかの銀行に採用されているが、なぜ銀行建築にギリシャ神殿が好まれたのだろう?

思うに銀行の威厳と、不変的イメージを表現するために設計されたデザインではないかと思う。

□旧穀問屋 (原田家)

絵ごころポイント : 鬼瓦

商工会議所を東に進むと左側に蔵造りの一軒家が突如あらわれる。思わず“頭でっかち” と叫びたくなった。それは鬼瓦があまりにも大きく見事で存在感があるからだ。
鬼瓦オタク(いるとすれば)にはたまらないだろう。

しかしあまりにも重そうな鬼瓦なのでいつこの重量に耐えられず潰れるのではないかと心配になる。

□川越キリスト教会

絵ごころポイント : 煉瓦にナツヅタ

原田家をさらに東へ歩くとアイストップとして見えてくるのが煉瓦づくりの川越キリスト教会だ。

赤い煉瓦に緑のナツヅタが這りつく風景(絵ではよくわからないと思うが)はいつ見ても心地よい。春新緑の黄緑色から夏涼しげな深い緑へそして秋は赤い紅葉と煉瓦のスクリーンに映し出される。

この教会は大正10年(1921)再建され登録有形文化財に指定されているが、私には残念に思うところがある。それは絵には描いてないが建物手前にコンクリートの電柱が2本あり(1本は信号機付き)教会の景観を著しく害している点だ。

蔵づくりの通りと同じ様に景観に配慮した電柱であつて欲しいと思う。

□礼拝堂

絵ごころポイント︰天井の小屋組と丸い照明

礼拝堂には記帳すればだれでも気軽に入ることが出来るが、神聖な場所なので空気が違うと気付かされる。

天井木組みはハンマービーム工法と呼ばれ屋根を高くし、内部空間を広く造る木造建築。その見事な造りに首が痛くなるほど見つめてしまう。

木組みのカチッとした造りの中に上からぶら下がる丸い照明が柔らかな空間をつくり出し、いいバランスになつている。

Mynoteを見てくれてありがとう。                つづく


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