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パリマラソン2023レビュー

パリマラソンに参加した日本人って相当少ないと思うのでレビューしておきます。

会場への移動~スタート


2023年4月2日朝6時半
松下君とともにホテルを出発。
地下鉄でPLUS MONGE駅からFranklin D. Roosevelt駅へ。

雨上がりで路面は濡れていたが、湿度があり、レインコートとフリースを着ていればそれほど寒くはなかった。
7時過ぎに駅へ着き地上へ出るとちょうどそこがシャンゼリゼ通りのパリマラソンスタートゲートだった。
女子エリートスタートまでもう1時間を切っているにもかかわらずまだスタート地点の設営まっただ中で、そもそもまだランナーは誰も来ていなくて一番乗りに近い状況だった。
まだ夜明け前だったが街灯のため通りは明るく、大音量の音楽が流れるライブ会場のような雰囲気の中、二人でウォーミングアップジョグをした。
スタートブロック最後方の凱旋門を前にした時、パリにいることを全身に感じて心が沸き立ち、もう走り出す心の準備はできていた。

それからスタート地点に並んだのが7時45分頃。
すぐに反対車線に並ぶあきらさんを見つけ、中央分離帯に置かれた鉄製の柵を二本乗り越えて合流した。

自身のスタート時間までもう30分程度だったがブロックの最前列にでも並べる状況だった。
仮説トイレは豊富で小便器が4つ付いたタンクがそこら中においてあり誰も並んでいなかった。
※女子トイレはカーテン付き。そもそも先頭付近のブロックには女子がほとんどいないので需要がなかった。

パリマラソンは5万人以上が出走する世界屈指の大規模マラソン
そのため細かく分かれたウェーブスタート制が導入され以下のような順でスタートした。
7:59 女子エリート
↓16分後
8:15男子エリート&preferential(チャリティー&準エリート市民ランナーのよう)
↓1分後
8:16 一般枠(申告SUB3)
※ただし同じ申告SUB3の中でも中央分離帯を挟んで右車線が左車線に先んじてスタートという謎の不公平スタート(たまたまこちらにいてラッキーだった。)
そして実際には8時17分を過ぎていた。


最終ウェーブは男子エリートから2時間35分後
※既にフィニッシュしている時間帯!!

レースレビュー

シーズン序盤と比較して自身の走力は2段階くらい上のステージに上がった感覚があり、
高気温や逆風のコンディションやどんな難コースであっても2時間45分以内ではフィニッシュできる自信があった。

プランは3:40-45/kmでのイーブンペース走。
レースがスタートして感覚で走った入りの1kmラップが3:50
思ったようなラップではなくて残念だったが、雨に濡れた不整な石畳の路面を考慮すれば受容するほかなかった。
スタート直後から次第に動きがよくなり設定ペースの範囲に入ってきた5kmあたりまで松下君が並走してくれたのはいい思い出。

今シーズン6本目のマラソンということでレース慣れがあって、どの程度の力感で走ればいいかはわかっていた。
向かい風の強い区間は集団に入りつつ、2分先にスタートしていたpreferentialランナーたちを拾い続け、終始順位を上げながら走り、25kmあたりで見つけた2人組のランナーをペースメーカーにして10kmほど追走。
35km通過で残り時間29分でSUB245は確信しつつ43分台を狙ってそこからスパート。
今回はペースの上げ下げやドラマがなくほぼイーブンペース走でフィニッシュした。
景色を楽しみながら走る予定でその余裕もあったが、予習を忘れていて何が何かほぼわからなかった。
しかしその中で36km地点のコート・スザンヌランランだけははっきりとわかって、
テニスに青春時代の全てを捧げた自分には愛おしい景色だった。

Time 2:44:09 3:51/km

レース前の話

エントリー費

パリマラソンは早く申し込めば99ユーロでエントリーできるほか、交通網も充実しておりレース前後のストレスが少ない。

健康診断書が絶対に必要

医師に頼まなくても自作できてしまいそうなずさんな管理ではあるが健康診断書類の提出が必要。(※オフィシャルテンプレートあり)
提出はメールか現地で。

エキスポ

エキスポはパリの街の南西のはずれにある。
金曜の午前11時に行くとすんなり入れて快適だった。
本当に5万人規模の大会なのか不思議に感じるほど人が少なかったが、どうやら5万人の参加者のほとんどは土曜日にエキスポに行くようで土曜日は大混雑になっていた。
木曜の午後か金曜の午前中に行くのが最適解のようだった。

なお、参加賞はランニング用リュック。パリマラソンの参加賞は毎年同じでこのリュックのよう。しかし左右のショルダーハーネスをつなぐストラップが一本しかなく本格的なランニングに使えるような代物ではない。

ビブと参加賞を手に入れた後回ったブースは数が多く、自分ですら初見の新興メーカーが多数出展していた。
もちろん最大のブースはasics
しかし展示商品は少なく、メタスピードのようなレーシングシューズは販売されていなかった。パリマラソンコラボのニンバス25ばかりが多く並べられていたが200ユーロと日本の3割増しの高価格帯で購入する人は見かけなかった。レース中に履いている人も見かけなかった。
他にはフランスメーカーのHOKAやDECATHLON、Raidlightはもちろん、adidasやOnといったヨーロッパのメーカーも多数出展が見られたがNIKEはなかった。

スタート直前

スタート地点付近のシャンゼリゼ通りには日曜日朝7時にもう開店しているカフェやファストフード店があった。そこで朝食や暖をとってから走るという選択肢もあり。

手荷物預け

フィニッシュ地点にてスタート前に荷物が預けられる。ただし凱旋門を挟んでスタート地点の反対側。最前列のスタートゲート付近からだと地下鉄で2駅はあり距離にすれば2km程。
預けに行くか迷うところで、今回は預けず、地下鉄の切符2枚とクレジットカード、ホテルのカードキーのみビニールに入れて走った。

レース中

路面問題

石畳が一番のネック。街中を走る序盤と最終盤に特に深いラグの石畳が続き、垂直方向の反発が得られないためペースが落ちる。

勾配

オフィシャルの獲得標高は183m。8kmまでは平坦だが9-17kmと34-41kmの区間は数百メートルで10m程度登る坂が何度もある。
コース編成、難易度とも京都マラソンによく似ている。
→上記2つの理由から自己ベスト更新が狙えるような高速コースでは全くない。
※なお、オフィシャルで42.51kmというのも謎。
42.195km通過なら2時間42分台だったのにわかっているなら短くしてよ🫠

フランス人ランナーのレベル

フランス人ランナーは総じてハイレベル。周囲のランナーがほぼ2分先にスタートしていたとはいえ、途切れることのない隊列が組まれ、風よけを得るのに苦労することはなかった。

※パリマラソン参加ランナー着用シューズ動向
サブスリーレベルの参加ランナーの着用メーカーは
NIKE>>adidas>HOKA>Saucony
で、ほとんどヴェイパーフライかアルファフライ、時々アディオスプロ
やはりフランスメーカーHOKAユーザーが多くてロケットX2は4番目に多かった。
asicsのレースなのにメタスピードはほぼいなかった。

レース中のエイド

水(Vittel)とパウンドケーキ・チョコレートが供給される。スポーツドリンクはなし。
水はペットボトルで供給されるため飲みやすい。バスケットのゴールのような壁付のごみ箱が多くあり廃棄も簡単。ただし硬水のため腹痛・下痢には注意。
また、水と食べ物の距離が近く、飲水中に通り過ぎてしまうため食べ物に手を伸ばす時間的余裕がなかった。

応援

「Allez」一択。※アレーーーーッ⤴(語尾を上げるのがポイント)

レース後

フィニッシュ後のエイド

フィニッシャーTシャツとメダルがすぐに受け取れるのは当たり前として、その後、
りんご・洋梨・バナナのフルーツの他、プロテインヨーグルト、プロテインドリンク、ミネラルウォーター等様々な食料が山ほどもらえる。
ただしプラスチックバッグを供給しないという観点から手が一杯になって相当困った。
Tシャツを風呂敷にして収納したが絶対にビニール袋持参で走るべきだと感じた。
また、手に入る食料はこれだけでなく、更衣室テントの中に本格的なエイドがあるため素通りしないよう注意。
6-8ユーロくらいしそうなベーグルサンドやカスクート、クッキーやブラウニー、フルーツやジュースなど充実した食料が無料で無制限に得られる。
だからやっぱりビニール袋は必要。
※レース後のことを考慮すれば凱旋門西側のフィニッシュ地点近くのホテルに宿泊し、ビニール袋と防寒着だけ預けるのがいいかも。

その他

交通網は地下鉄とバスと路面電車

全て1種類の切符で乗れる。ただし販売場所は地下鉄の駅のみ。
一枚2.1ユーロ。
10枚セットなら19ユーロだが、販売機により10枚セットの販売がない。
※というか半数以上の販売機では10枚セットの販売がない。

ルール:
①地下鉄は改札を出ない乗り継ぎの場合のみ2時間以内なら1枚の切符でOK
※改札を出る乗り継ぎはダメ
②バスと路面電車は90分以内なら1枚の切符で何台でも乗り継げる。

空港からパリ中心部への移動

地下鉄一択。11ユーロほど。40分程度で本数も多い。

エールフランス

関空から直行便ならエールフランス1択。
だが直行便でも15時間かかる。※ロシア上空を飛べないため余分に時間がかかった。
一度降ろして欲しいくらいめちゃきつかったけど、やっぱ直行便が楽かな。
なお、預け入れ荷物の重量制限基準がまさかの13kg(※日本やアメリカの航空会社なら23kg)。100g overで荷物が預けられなくてめちゃくちゃ焦った。


英語表記が少ない


英語と似たような単語なら何とかわかるけど、全然違うスペルの単語は困る。
通過する駅に「SORTIE」って書いてあって、
「へー…ソーティーマジック駅なんやな」
って思って見てたらどの駅にも「SORTIE」の文字
「SORTIE」はEXIT(出口)の意味らしい。
これ知っといたほうがいい。

気候

日本の1か月前の気温。
毎日のように雨が降るが短時間で止むにわか雨で、週間天気予報では雨になっていても実際には降水量は少ない。
傘を持参したが一度も使わなかった。

食事

チップは不要の文化。
総じて悪くないが日本のレベルに比べたら劣る。

パン屋

店は多数あるが半分はバターのパンで半分はスイーツ。
パンのラインナップはどの店も同じ。
ほぼクロワッサン・ブリオッシュ・パンオショコラ・パンオレザン
※ドライフルーツやナッツの入ったハード系など一切なし
あとブラウニーとチーズケーキ(みたいなもの)もほぼ必ずある。
ブラウニーは濃厚でうまい。日本でも通用しそう。
チーズケーキはベイクドチーズケーキかと思いきやぷにぷにしていて濃厚さがなく、生クリームを豆腐で代用したようなあっさりチーズケーキ(チーズ感もないけど)みたいなものでしかなかった。

温かい米はない

米はあるけど米のお惣菜は冷蔵販売で電子レンジがないと厳しい。
※ちなみにルーブル美術館地下から繋がるフードコートには電子レンジがあった。冷めた食品でも安心して提供できるね。

まともな日本食などない

「パリでは日本食ブーム」とは日本のマスメディアの誤情報
日本食レストランは怪しい寿司屋しかなくラーメン屋は探せばあったのだろうが旅行中には一度も見当たらなかった。

硬水だが日本より安い。1.5Lで0.21ユーロから。

スーパーマーケット

カルフール、モノプリックス、フランプリックス

オリンピック

1年前だというのに、関連グッズはほとんどなかった。

レース前の糖質摂取ならチポトレがいいよ

アメリカで有名なブリトーのチェーン店「チポトレメキシカングリル」が中心部に複数あって糖質摂取の面で非常に助かった。


この度での学びはこれくらいかな…
ローランギャロスとルーブル美術館くらいしか行ってないけどパリでやり残したことはない気がしています。

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