「J1月間最優秀監督の手腕!!」明治安田生命J1リーグ 第23節大分戦
パダワンです!今節は開幕戦で屈辱的敗戦を喫した大分との対戦でした。開幕当時と比べると大分も多少の変化はしましたが、それ以上に鹿島がメンバー的にも戦い方的にも大幅にアップデートを重ねたのかなと思います。
いつも読んで頂いている僕のブログですが、僕自身もレポートの仕方をアップデートしていこうと考えています。一見、一貫性の無いように感じるかもしれませんがご了承ください。
■スタメン
<鹿島>
・出場停止のスンテに代わって曽ヶ端
・それ以外のメンバーは前節と同じ
<大分>
・長谷川に代わって新加入の小林
・それ以外のメンバーは前節と同じ
■前半
・前回対戦を意識
前回対戦時、後方から「全員」で繋いでくる大分に対して鹿島は積極的にプレッシャーをかけにいきました。しかし、大分は鹿島が前がかりになるぶん後方の広大なスペースへロングパスを落とし、裏のケアに弱いスンヒョンの特徴をよく分析した攻撃に苦しみました。
この経験もふまえ、今節の鹿島は2トップの位置を大幅に下げて対応する策を取りました。これに関しては、予想通りでしたね。誘いに乗らず、相手が自分らの網にかかるのを待つような作戦。
「前半に点を取る気ないの?」
そう思った方もいるかと思います。90分トータルのゲームプランを考えた時に、鹿島にはレオ、相馬、上田、などの「切り札」となるカードが多くいます。この選手たちを意識したゲームプランだったと僕は考えます。
彼らを投入してギアをあげる自信があるからこそ、前半の作戦が実行できたのだと思います。
題して
「ボールは好きなように持っててください。僕たちカウンター割と得意だし、後半のギアチェンジ半端ないんで。」(笑)
共通認識も全員でできてそうでしたし、特に慌てる場面もなかったので、ここら辺は監督のマネジメントとしても素晴らしいですね。前節の成功体験も大いに生きたと思います。
・個人的な切り札の使い方
レオ
→相手の中盤が食いつかず、サイドに振り続けても綻びが見えないとき
相馬
→サイドで主導権を握れない、SBの上がる時間が作れないとき
上田
→ボールはある程度支配できてサイドでもボールは持てるけど、フィニッシュまで今一歩のとき
・守備陣形
前半、解説の増田さんも不満に感じるくらいけん制しあっていた両チーム。特に鹿島の徹底度が高かったかと思います。大分のシュート本数は0本。やはり、この試合でも前線4枚のフィルタリング機能は高かったです。特にセルジーニョのカバーシャドウにはびっくりしました。試合を重ねるごとに精度が上がってますし、リバプールのサラーぽさがありました。その他の選手たちも自分らのタスクに集中できているなと感じましたし、プラン通りだったと思います。欲を言えば、前節あたりからの新戦術「小池のストレートボール」でセットプレーから点を取りたかったですね。
・主な鹿島の選手のタスク
土居・伊藤
→ 背中を取る、6と32にはカバーシャドウで警戒
白崎・セルジ
→ 3と29から角度をつけたパス(44と14に向かって)のコースを遮断。田中に対しては、なるべくセルジのカバーシャドウで対応。
三竿・名古
→2シャドーにはマンツー気味。相手のWGが持った時に犬飼・ブエノがチャンネルランを仕掛ける2シャドーについていくのであれば、CBのカバー。そのまま自分でついていく場面もあり。
小泉・小池
→WBには厳しくチェック。時間をかけてSHと連携すること。
犬飼・ブエノ
→ネガティブトランジション時の45へのチェックは厳しくつぶすこと。SBの裏は積極的にカバー。
・攻撃陣形
前半の攻撃に関しては、相手のシステム特性をよく理解した攻めだったと思います。相手の5-4-1の1周辺は比較的に自由に使えました。その一個後ろの中盤が焦れて飛び出してくれば、土居セルジーニョ白崎が降りてライン間で受けようとします。前節の大分で気になったのは、5-4の間の使われ方でした。それはもちろん、大分もわかっているのでそれ以上中盤が食いつくことはありませんでした。前半に関しては、ノーリスクで相手のエースを走らせましたしこれでよかったかと思います。
■後半
後半立ち上がりは、前半同様の展開でした。しかし、57分のメンバー交代を皮切りに徐々に動き始めます。相馬の投入は、ほぼプラン通りでしたね。大分の修正としては、1トップ2シャドーの入れ替わりや裏抜けを増やしたこと。これにより微妙なラインのずれを狙ってきました。
・先制点
レオと相馬を入れて一気に攻勢を強めてきた鹿島。相馬の仕掛け、小池のロングパスに注目が集まる中で僕が注目したのは小泉のランニング!
大分はボールを失った直後に下がろうとしますが、あのシーンは結果的に田中の下がりが遅れていました。相馬にボールが入る段階で、その遅れと相馬の仕掛けに小泉が早く気が付きました。
ここぞという時の力の使い方。どこかチームのギアチェンジを体現するかのようなプレーでした。あのランニングがあったことで、2対1の局面を作ることができました。
・フィジカルモンスター、ブエノ
4-4-2で圧力をかけてきた大分。そこに立ちはだかるはブエノ!クロスに対しているべきところに必ず構えて跳ね返し続けました。跳ね返すパワーももちろん感心しますが、メンタル的にもだいぶ整理されて試合に入れてる証拠だと思います。持ち運ぶドリブルの能力の高さも見れるようになり、いよいよスタメン確保に入ってきましたね。
■まとめ
今節勝利したことで、2位に浮上した鹿島。優勝を意識しだすのは早いかもしれませんが、全タイトルに可能性がありながらこの順位はお見事です。大岩監督の経験値や実力が形になって表れてきたのかと思います。特にここ2試合では、「相手を動かしてくるチーム」に対しての連勝。新加入メンバーもスムーズに適合し、総合力がググっと上がりましたね。
そして、今後は怪我人0という「ベスト」な鹿島がいよいよベールを脱ぎます。本当に楽しみですね!!
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