アンチエイジングについて中医・薬膳で考えてみる。

アンチエイジングとひとことでいってもアプローチは様々。
食事・運動・睡眠ライフスタイル全般においてこころとからだにとって快適な状態を保つことが求められることは当然だと思いますけれど、そこで、中医学の視点からみたアンチエイジングと効果的な薬膳についてご紹介したいと思います。

中医学の視点から考えてみたいとおもいます。

まず、そもそも、中医学ではアンチエイジングをどう捉えているのか?
それに対して、どういった解決策がおすすめされているのか?

紹介したいと思います。


●中医学でいう「エイジング」とは?

 養命酒のCMでも紹介されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
古来中国の方々は、女性は7の倍数、男性は8の倍数で歳を重ねると言われてきました。
これは、世界最古の医学書と言われる「皇帝内経素問」に書かれていた内容。

今も昔も、年齢を重ねることで「成長」が進み、その先に「老化現象」があるという流れ自体は同じ。その老化現象が時としてわたしたちに不調をもたらし、悩ませるのです。
ここでは、年を重ねることで出てくる様々なできごと、これらを含めてエイジングととらえます。


年を重ねることは不可避のもの。ただし、日常のすごしかたを工夫することで、「老化現象」として現れる「こころと体のひずみ」を軽くして快適な毎日を過ごせますよ、としているのが中医学の特徴。

時の流れに抗うのでもなく、ただ身を任せて老化を受け入れるのでもなく、いかに自己ケアによって崩れて行くバランスを整えていくか。これが中医学における「アンチエイジング」のスタンスだと思います。

このことを今風に言うと「ポジティブエイジング」と言われていたりしますよね。こちらの方がしっくりくる気がします。


●肝になるのは「腎」のメンテナンス

では、「加齢によって生じる不調を和らげるためにはどうセルフケアしていけば良いのか。」
そこで、鍵を握るのが、「腎」という器官です。
(なぜ、腎なの?という問いについては、長くなってしまうので別の機会に...)

なので、エイジングによって起こる不調を和らげる方法も、基本的には「腎」のメンテナンスをすること。書物には、「こうした方が良い」「ああした方が良い」といろいろとありますが、どれも全て、「腎」の嫌がることはやめ、喜ぶことをしてあげましょう。
にまとまります。


●具体的には、、、?

中医学的にアンチエイジングがどんな考え方なのか、そのためには何をするべきか、ということを記載しました。

では、具体的にどうやって「腎」をケアするのかを記載します。
中医学でいうケアの方法は、大きく分けて「食事」「投薬」「鍼灸」「ライフスタイル」などがあります。まずは、自己ケアできる食事(=薬膳)とライフスタイルの改善を試みて、それでも改善されなければ、お薬(=漢方)や鍼灸の専門家に相談する流れが良いかと思います。
私の専門分野は薬膳なので、まずは、食事から。

アンチエイジング食材

「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」という言葉があります。
基本的に中医学ではいくら体に良いとされていることでも「やり過ぎ」は禁物。

ただ、腎のエネルギーに関してだけは多いに越したことがないといいます。
あればあるだけ良いと。

ただ、私が思うに、それだけ人は生きている中で腎精を消耗はするから、そのくらいの気持ちで常にケアしておくべきという意味だと捉えています。

なので、食事に関してはやっぱり「食べ過ぎ」には注意が必要。
それによって、脾(消化器系の臓器の総称)を痛めてしまうとやはり体にアンバランスが生じてしまうので。
いくらエビが美味しいからって食べ過ぎてはいけないのです。


さて、ライフスタイル編についても触れておきます。

腎が傷つき、腎精を消耗してしまうこと、それは、「冷え」という外的要因と、「悲しみ・驚き」という内的感情。
なので、昔のひとは、「冷えは万病の元」といって夏でも冷たいものの取りすぎに気をつけたり、人間は悲しい出来事は、他の感情よりも忘れやすくできているのだと思います。


体の中でもとくに腎の位置する下の方や下半身は決して冷やさず、そして、悲しいことをいつまでも引きずらないことが、心地よい毎日につながります。
とはいっても、感情の部分については、自分だけではどうも対処できない時もありますから、できることから。そういった意味では、食事によるメンテナンス、薬膳ってとても取り掛かりやすいものだと思います。


最後に、よく中医学は「バランスの学問」といわれます。
「バランス」を整えることに尽きる。

なので、アンチエイジングのコツも、一つのことばかり行うのではなくて、食事の中でもバランスをとることが大事。そのためには、取り入れるべき食材のパターンをいくつか理解しておいて、季節に応じて使い分けるのがおすすめです。

季節ごとにどんな食材があるのか、さらにその中で、今の自分に足りていないものは何なのかがわかる。そうすることで、自然とバリエーションが広がります。


中医学を学んでいて度々感じるのは、「これって人生哲学だな」ということ。
中医学にしても漢方にしても、薬膳も、すべて生き方につながっていくように思います。必ず、解決の道が示されている。

だから、中医学を学び進めていくにつれてと、すごく目の前のことに対してイライラしたり、悲しんだりということが少なくなって穏やかにすごすことができるようになりました。
これはこれからの人生を生きる上で本当にプラスだったなと実感しています。

こちらのブログでは、そんな人生をよりよくする中医学の知恵をご紹介していきたいと思います!

それではまた、別のトピックにて。


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