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君の涙に咲いた華を僕は知っている

たくさん 傷付いて。

たくさん 泣いてた。

僕は 知っている。

たくさんの笑顔を。

たくさんの笑い声を。

だから 今は泣いていい。

肩を貸してもいい。

この胸に飛び込んでもいい。

どんな 君でも 受け止めると 決めたんだ。

秋と呼ぶには あまりに冷えた夜に 散った その想いを。

僕は。

僕だけは 知っているから。

あの涙を見た時から 燻っていた種は 芽を出して 君の涙が 流れる度に ジョウロで注がれたように 蔦を伸ばした。

もう 誰も抑えられない。

理性の除草剤で 何度も 枯らそうとした。

でも 無理だったんだ。

仮に この胸に 飛び込んできたなら。

間違いなくキスをするだろう。

唇じゃなくて。

涙を拭いながら おでこに そっと。

それでもいいかな。

それでもいいよね。


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