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読んでみたくなる名言(当社比)集めてみた【伊坂編】

えらっそうにnoteを始めてみたはいいものの、2日目にして語れる本はそれほど多くないことに気が付いた。
早すぎる。
国語のお勉強がしたい訳ではないので読書でそこまで堅苦しい考察はしないし、かといってあらすじ紹介に終始したらそれこそ国語のお勉強じゃないか。要約力!
つまりは、自分のことばで読書感想文を書きたいだけなのだ。自分のことばで。大事なことなので2回言いました。
自分のことばで本を噛み砕くには、平均で3回ぐらいは読まないとだし、コンテンツ力が高すぎると何度読んでも「伏線回収がすごい」ぐらいの感情しか浮かばない。読書偏差値2の世界だ。
わたしの場合、伊坂幸太郎でいつも読書偏差値が急降下した。好きなんだけど!全作読むぐらい大好きなんだけど!!!!!
伊坂幸太郎の良さは、当然ながら伏線回収の鋭さと、本質をついたような登場人物の台詞にあると思う。だからわたしは気が付いた。
伊坂幸太郎名言集なら、いけるんじゃね。

①残り全部バケーション(集英社)

どうせいつかは死ぬけどな、生き方は大事なんだよ。(p.263)

溝口は、伊坂幸太郎によくある、ハチャメチャだけどどこかで突然謎の説得力を持つ登場人物です。他には『チルドレン』の陣内とか、『グラスホッパー』の岩西とか。
裏稼業から抜け出したい岡田さんの話と、岡田さんが居なくなったあと、相棒だった溝口さんがハチャメチャする話。
友人に「訳わかんなかった!」と勧められたがわたしは好きだった。

②実験四号(講談社)

何で俺だけ圏外なんだよ。(p.41)

火星が開拓されたら行くか。わたしは行かねぇだろうな。後藤が火星に行ってから、バンド仲間がずっと待っていた話。
火星と言えば『火星に住むつもりかい?』(光文社)が浮かぶんやけど、あれはあれで欠片も火星関係ないのがツボ。秘密警察とかのディストピア系ですよね。面白いです。あれの「ヒーローはすべての人に手を差し伸べないといけないのか」的な話は考えさせられました。

③AX(KADOKAWA)

妻の言葉を思い出す。「わたしは別にね、感謝されたいわけじゃないわけ。家事だって、PTAのことだって。ただ、それがやって当たり前のことだ、みたいに思われるとさすがに、言いたいことはあるんだよね」(p.267)

全世界の『感謝されるために働いてんのかよ』と屁理屈叩くヤツはここを読め。そういう人間たちの影響で『当たり前』という言葉がとにかく嫌いです。
殺し屋シリーズは前の2巻が血生臭い感じだったので(面白かったけど)、これはハートフルな感じでよかった。
余談ですが期間限定でWeb公開された未完の短編『Drive』、彼らが向かう先が地元の鴨川だった上に苛められながらも相手を全力で蔑む中学生が出てきて、「私のための本かな?」とちょっと思い上がりましたすいません。

④バイバイ、ブラックバード(双葉社)

簡単に言えば、おまえは馬鹿だ、ってことだ。ペーパーテストだとか、偏差値だとか、そういった意味合いとは無関係に、おまえは馬鹿すぎて、生きていくのに苦労してる(p.297)

まず五股かけてるってのがやばいじゃん。その上借金にまみれて「あのバス」に乗せられそうな星野くん。彼は五股かけてる一人一人にお別れ行脚をしにむかいます。五股かけてる一人一人に。
善悪の基準がごちゃごちゃになる本なんですがわたしはとても好きです。最後に彼がどうなるのかとか、「あのバス」の正体や行先とか、核心に迫る部分が一切書かれてないのも含めてとても好き。

さて、よくある「伊坂幸太郎名言集」と比べてちょこっとニッチなとこを攻めてみましたがいかがでしょうか。
第2回があるかどうかはあなた次第……ではなくわたしの気分次第です。乞うご期待。

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