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【映画レビュー】『オッペンハイマー』は、ノーラン映画の三大要素を堪能できる集大成。

こんばんは。kei_tenです。

日本での公開延期やアカデミー賞最多7部門受賞など、話題の映画『オッペンハイマー』を観てきたのでレビューします。

■概要

・クリストファー・ノーラン監督の12作目長編作品。
・「原爆の父」とされる天才物理学者オッペンハイマーの栄光と没落を描いた伝記映画。
・原作はピュリッツァー賞受賞作『オッペンハイマー』(ハヤカワ文庫刊)
・アカデミー賞最多7部門受賞
・日本では公開が3ヶ月ほど延期され、話題性に富んだ作品。

■おすすめ度:☆☆☆☆★

結論から言うと、劇場で(特にIMAXで)観ることをおすすめします。
その一方で、基礎知識・予備知識が必要なこと、大人向け表現があることから、観る人を選ぶ映画でもある点は留意が必要です。

先にパンフレットに目を通してから観ると分かりやすくなるのでオススメです。(ネタバレありますが)

プラス・ポイント

・ノーラン好きなら納得の集大成的要素が満載
・IMAXで没入して見るべき繊細な音響とダイナミックな映像、そして迫力ある振動

マイナス・ポイント

・第二次世界大戦期〜戦後冷戦期の教養がある程度ないと話について行けない可能性あり
・大人向けの描写もあるのでそのつもりで見るべし

■オッペンハイマーとは?

経歴要約:

・アメリカの理論物理学者で、第二次世界大戦中に、原子爆弾の開発・製造を目的とした「マンハッタン計画」を主導。
・実験が苦手だったり、奔放な女性関係など、人間味を感じる一面も。
・革新的なものや考えに関心があり、共産党員や労働組合との関わりが深かった。(オッペンハイマーは共産党員ではなかった)
・戦後に水爆の開発推進のため、プリンストン高等研究所所長に抜擢される
・水爆開発に反対の姿勢を取ったことで「赤狩り」の対象となり、公職追放の処分を受ける

■クリストファー・ノーランとは?

経歴要約:

・イギリス出身の映画監督。初長編作品『フォロウイング』で"ヒッチコックの再来"と評価される。
・バットマンシリーズでメジャーシーンに躍り出て、『ダークナイト』は映画史に残る金字塔となった。
・『インセプション』『インターステラー』では豊かな想像力によるSF表現が体験できる。

ノーラン映画の三大要素:

①時間軸(脚本・映像表現)の複雑さ
②葛藤と苦悩、悪への共感など、感情の揺さぶり
③CGを多様しないIMAX表現への拘り

①は『メメント』『TENET』、②は『ダークナイト』、③は『インターステラー』『インセプション』でわかりやすく体験できます。

今回の映画もご多分に漏れず、ノーラン映画の三大要素を堪能できますよ!

■映画の見どころ

①若かりし頃のオッペンハイマーの頭の中の描写(迷い・悩み〜理論がクリアになっていくさま)
②クローズドな世界=カラー/パブリックな世界=モノクロという映像の切り分け(一見、過去の回想/オッペンハイマー主観/ライバルの主観という三分割に見えるが、実は違う)
③スタイリッシュで求心力のあるオッペンハイマー(原爆の父)と、ギークでマッドサイエンティストなテリー(水爆の父)とを、上手く対比させる衣装デザイン

■総評と余談

ここからは音声でお楽しみください。
※ネタバレ含みます!


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