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8:00-13:00 高速バス

桃山台の団地にアールをさがす。
団地をみると生活の多さに目がくらむ。
千里中央行きのメトロと並走する。
工場の灰色のなかに赤色の自販機がポツンとあってほっとした。

ひさしぶりに朝が早かったのでうとうとする。

目が覚めたらまわりは山で、見上げると針葉樹が自由に整列していた。
ボブの絵画教室が見たくなったけど自分でDVDを買うことは無さそうなので誰か買ってくれないかなとぼーっと考える。
ボブおじさんはこの景色をどう描くだろう。
しばらくつづくトンネルを抜けると、まっしろだった。
霧かと思ったけど雪だったのかもしれない。
すぐに海があったようで 遠くが何もないように見えて異世界に入ってきたかとおもってちょっと怯む。
しばらくたったら雪景色になった。
雪化粧なんて表現を初めてしたのは誰だったんだろう。
家の屋根と山の木が同じ化粧をしてぜんぶぜんぶおなじになる。
川は静かだけど延々に流れている。
ちらつく程度だった雪が吹雪いてきた。
バスの運転手は隣で流れる車の4台分くらい車間距離をあける運転をしていてこれはよっぽどのことがないかぎり死なないなと思って安心して走りがゆっくりになった車の流れをみていた。
吹雪がやんで、(もしくは吹雪の地域を通り過ぎて)車の流れはスムーズになる。
昼のバスはいい。
サービスエリアに寄れるから。
特産品コーナーで今いる場所の名前がやっとわかる。
ここはどこなんだってくらいいろんな地域のお土産が売ってるときもあるから推測しつつ。

武生あたりで自衛隊の迷彩柄の車両を追い越す。
ナンバープレートが数字だけの6ケタだった。へぇ。

お供に持ってきた歌集のせいなのか、遠くの方の畦道でフードをかぶって傘を持って歩く人にドラマチックをかんじる。

唐突にお椀をひっくり返したような形のものを見てなんだありゃ!と思って地図アプリをひらいたら福井サンドームだった。へんなの。
海浜公園を過ぎて、東映映画のオープニングみたいな波がテトラポットに打ち付けられてるのがみえる。
海は海水浴のためにあるわけじゃない。
潮騒が聞こえるような気がしたけどたぶん気のせい。
バスの暖房が効きすぎてるから早く外にでてあの雪に触りたい。

#エッセイ #バス


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