観音坂独歩の好きな所を語らせてくれ

  まず、私が今爆発的に人気を博す「ヒプノシスマイク」の存在を知ったのは2018年の11月頃。私のタイムラインでなんとなく二次創作が目立ち始めた気がする時期。その時はまだ声優さんたちがラップをするプロジェクトであることくらいしかわからなかった。あの、巷で人気の(まだあるのかな)ミリしらってヤツだ。渋谷のハロウィンよろしく人がわんさか集まった新宿アルタの伝説回も、当時はなにも知らなかった。もったいない。

  最初にちゃんと曲を聴いたのはイケブクロディビジョン、Buster Bros!!! の山田二郎くん。の、ソロ。「センセンフコク」。ロックテイストにラップを織り交ぜた良い曲だ。ヤンチャな音楽が好きな私には、かなり響いた。絵柄が好みなこともあり、その後なんだか無性にこのコンテンツが気になってしまい、全体曲を聴いたりや気がついたらYouTubeにあがっているドラマトラックをかなり真剣に聴いていたりなど、気づけば完全にヒプノシスマイク沼に堕ちていた。かなり深い。ヤベエ。アツすぎる。まあ、今さら降りるつもりもさらさらない。

  ラップミュージックが好きで、尚且つ二次元キャラクターが好きな女がハマるのは自明だ。ツイッターなど見ていると男性ファンもちょこちょこと見られて嬉しい。本当に、混沌と混沌の間に留まらず、もっと流行って欲しいよね。Hoodstar、すごく良い曲だから。ちゃんと聴けよ。

  かくいう私も正直、最初は全体曲を聴いてもイマイチ誰が誰だかわからないような状態だった(私はまあまあオタクだが、声優にはかなり疎い) 。が、他のキャラクターに比べて明らかにこう…負の感情が強く感じられるキャラクターが、いる。気になる。調べる。なるほど、麻天狼ことシンジュクディビジョンの三番手である観音坂独歩くん(CV:伊東健人)というらしい。29歳男性。職業は医療機器会社の営業マン。ネガティブな性格故に友達は少ない。といった説明だった。ルックスはというと、所々インナーカラーが入った赤毛で、わりと遊び心のあるスーツを着た細身の男性。会社の規定、かなりゆるそう。まあまあ。私はこの観音坂独歩という男に完全に陥落してしまい、2019年の脳内メーカーなんて作ったら多分7割方彼が占めている。ということで、彼の魅力を書きたい。

  まず、容姿。綺麗な顔立ちだが、目の下の濃い隈がかなり気になる。公式が明かす情報によると彼はかなりのブラック会社に勤務していて毎日終電が当たり前。有給休暇は取れない、なんとかもぎ取れたところでラップバトルで終わる。しかも不眠症の気がある。ええ、めちゃめちゃかわいそう。不憫キャラ好きにはたまらない。  基本的に大人しめの性格らしく、ドラマトラックでは常識人のポジション及びツッコミ役。麻天狼の一、二番手はトチ狂っているので、仕方ない。 しかしながら、ディビジョン曲。今のところ(2020年1月現在)リリースされている中では4曲。これらを。聴くとどうだ。情緒がジェットコースター。観音坂くん、大丈夫かなあ。

陰鬱なリリックに淡々としたフロウだけでなく、他のディビジョン、いやもはや自分以外の全人類に向けた苛立ち、理不尽に扱われる事への憎しみを数十年間煮詰めたようなシャウトをかましてくる。このシャウトがもはやお家芸化してしまい、なんだかオチ担当みたいな存在。口もまあまあ悪い。ヨコハマディビジョンのガラの悪いおじさん達だって、ここまで治安が悪くない。  声が伊東健人さん(そもそもこの人がかわいい)なので歌も上手いし、シャウトすらも聴きやすい。シンジュクディビジョン曲、Shinjuku Style以下略で自他共に認めるサイコパスのようなことを自称していたが、全体曲以外で特筆するようなサイコパス感はべつにない。なんなら普通の人。 そう、普通の人だ。 私はなんだか知らないが、アニメや漫画に出てくる「普通の人間」が好きらしい。普通って何だよ、って話はまた置いといて。 とにかく、人間味があり共感しやすく、完璧じゃない、感情移入できるキャラクターが好きなのだ。ワンピースならウソップだし、進撃ならジャンみたいな。そういうキャラを真っ先に好きになる。

なんだっけ。独歩くんだ。独歩くんはヒプノシスマイクの中でもおそらく最も人気のあるキャラクターのようで(非公式だが人気投票を行ってくれたブログがあるらしい、ありがたい)、メルカリやオタマートなどを覗くと確かにグッズのレートもずば抜けて高い。それ程ファンを魅了するキャラクターなのだなと、何様だという感じだが私も本当に嬉しい限りだ。同担、大好きです。独歩くんをさらに盛り上げていきましょう。ね。

  社会に抗いたい気持ちがあったり、精神的に不安定でどこか危なっかしく、参ってしまうことも多々あるが、根は素直な性格のようだし、年下のキャラクター(二郎くん、あすなろちゃんなど)には優しい。そういえば彼には弟がいる設定だ。兄属性ずるい。責任感も強く、立派な社会人だ。これって、大人たちにうんざりしたティーンエイジャーにも、クソみたいな世の中に辟易し始めた社会人にも、はたまた荒波に揉まれて落ち着いた大人にさえも、刺さるキャラクターじゃないか。       わりと現実離れした職業のキャラの中でも会社員はとっつきやすいし、やたらと発育の良いキャラクター達と比べ、身長体重も随分と平均的だ(細いけど)  。ちなみにディビジョンラップバトルの賞金の件から察するに年収は600万程度のようだ。女尊男卑の世界の為税金はえぐそうだが、また残業代は知らないが、年齢のわりに高給取りだ。観音坂くん、財形貯蓄してそう。知らんけど。あとそういえばドラマトラックでは、独歩くんは意外と丁寧な喋り方をする。仕事柄か、ネガティブモードに入らない限りハキハキと喋る。言葉遣いも綺麗だし、こう、どことなく品がある。字も綺麗そう。ここは完全に妄想だけど、子どもの頃習字を習っていそう。あと、そろばん。平常の彼がこれだから、バトルの時一層雄々しく見えるのだろう。

   普段は職質をかけられる程に陰気な彼も、プライベートはそこそこ充実しているらしい。彼は幼馴染のホストである伊弉冉一二三くんと同居していて、仕事柄生活リズムが違うなりに仲は大変に良い。休日でも全然外で会ったりする。伊弉冉一二三、そのポジション代わってくれないかな。ヨコハマディビジョンのメンバーと鉢合わせた際だって、我々リスナーからしてみればコイツは普通に友達作れるんじゃない?という印象。というか、独歩くんはわりとヨコハマディビジョンに馴染めるような気がしてならない。彼に友達が少ない原因は、彼の性格云々というより幼馴染の比重が大きいようにすら思えてくる。  パピヨンでは、億年振りに掴み取った有給で麻天狼のメンバーで釣りに行き楽しそうだ。伊弉冉一二三くんとのデュエット曲ではアシスタントにあるまじきテンションの高さだった。4thライブ、木島さん苦笑してたもん。楽しかったな。3徹明けくらいの、独歩くんは3なんて問題じゃないでしょうけど、まあ、常人ならばそのくらいのレベルの気の狂いようだった。はしゃいでる観音坂くん29歳可愛い。好物はオムライスとポテトサラダと焼き鮭。子供舌だ。抱き締めたい。だってもう、可愛いしか言えない。人は、誰しもが藤森慎吾になる可能性がある。ツイッターでそういうことを言っている人がいた。わかる。

  ドラマトラックではお馴染みのネガティブモードに語るとまた長くなるのだが、彼は身の回りに起こる不幸をすぐ自分のせいにする節がある。イヤそれはどう考えてもお前のせいじゃないじゃん、ってかお前まったく関係ないじゃん、みたいな事柄も全部ひっくるめて自分の甲斐性の無さを理由にして落ち込む。 ヒプノシスマイクはまだ彼のネガティブである所以を明らかにしていないし、それに幼馴染みの女性恐怖症と関連があったらどうしよう、ウワー、みたいな状況なので、ここからもほとんど私の妄想なのだけども。  観音坂独歩くん、たぶん無条件に自分のことが嫌いなのだと思う。他人へと、自分に対するハードルがきっと無意識に違いすぎて、ギャップで苦しんでる。完璧主義なのかもしれない。  この記事を読んでくれている方は独歩くんのSpotifyラジオを恐らく12345600周はしていると存じますが、ええと、独歩くん、自分以外の人とか、物の良い所を見つけるの、すごく上手いと思うんです。なのに、自分の能力とか、誠実な性格だったりとか、普通に恵まれてる容姿とか、気付いてない。もしくは、極端に自信がなさすぎる。いろんなものにけっこう恵まれてるのに、ここまで卑屈だとたぶん周りにはウザがられる。周囲の悪意には機敏そうな彼はそれだけにはきっと気付くし、余計卑屈になっていくループ。このどうしようもない思考が、独歩くんのあまりない欠点であり、とてもかわいいところであり、個性。 加えて、人並み以上にはプライドが高そうで、さらに(たぶん)長兄であるという環境も相まって、自分に過剰に期待して落ち込んで、の悪循環を繰り返している。ウワー、めんどくさい。可愛い。愛すしかない。それでも、対人には普通なんです。自分には必要以上に厳しいくせに、一二三への感謝を照れて隠すわけでもなくちゃんと口に出すし、子どもに優しいし、責任感もあって、しっかりした大人です。フラフラしてて、どこか儚くて、すぐ折れちゃいそうだけど、生命力はやたら強い。一見、煌びやかな一二三に支えられてるだけの存在のようで、実は逆なんじゃないかなァ、と思います。バナナフィッシュかよ。

  とにかくこの観音坂独歩くんは、本当に色んな方面の人間から共感を得られるキャラクターなんだと思う。かといって、彼は凡人の尺には収まらない。これが、社会的には目立たない、面白みのない、普通の人間。 と思いきや隠し持ったものすごい才能を持ってる。彼の場合はラップのスキルなんだろうけど、そういう人間になりたい、という願望を体現してくれてるんじゃないかな。あからさまに表立った主人公じゃなくて、普段は控えめなヒーロー。なんて、使い古された設定だけど、やっぱり良いものは良い。


  恋は盲目か、最近は観音坂独歩くんの目の下の隈すらもが愛おしい。魚拓を取りたい。というか隈って、ものによっちゃあふつうにかわいいよな。だって女の子がメイクする時に涙袋にピンクだことの、ブラウンだののシャドウを細めに入れるの、近年よく見るじゃん。囲み目とかいうけど、カワイイ隈みたいなやつ。実際盛れるもんね。一時期流行ったホワイトじゃなくて、赤みのあるヤツ。まあかわいい。観音坂独歩くんが愛される理由、あれっ、もしかして、そういうことなんですか?