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「好き」にひっくり返る時

社会人になってしばらく経ち、アラサーという言葉を意識し始めている今日この頃、
自己満足の小さな新しい発見をしたので、長ったらしい文章に乗せてここに置いておく。

映画、漫画、ゲーム、小説など、世の中には沢山の作品で溢れている。
同じ音楽でも人によって様々な嗜好があって、趣味が近いと嬉しいし、全く違うと興味深く話を聞きたくなる。
「努力すれば何でも好きになれる」というのが私の信条で、好みはあれど、基本なんでもウェルカム。

とは言っても、大学生になるまでは、音楽の嗜好はかなり偏っていた。
邦楽ロック辺りの音楽が好きで、特に中学生の時は「J-POP?歌詞が全部似たり寄ったりで聞いてられんわ!」とまあ生意気なことを考えていた。
当時の私が受け入れられないJ-POPの代表が、「Mr.Children」だった。

テレビドラマ「14歳の母」の主題歌「しるし」、映画「恋空」の主題歌「旅立ちの唄」、日清カップヌードルのCMの「and I love you」。
テレビのコマーシャルでよく曲の一部を耳にしていたが、バリバリ中二病で考えの凝り固まった少女には響かなかった。
そもそも流行りのドラマや映画を敬遠していたのも大きいと思う。

「4人組バンドなのにピアノとかストリングスとか他の音入っててやだ!」
「上の世代に人気なんだろうけど、歌詞がありきたりに感じる!」
完全に思春期のこじらせ!

で、その中学生は、27歳まで私の中に居座っていました。
苦手とまではいかなくても、「私にはわからなかった」くらいの感覚。
テレビ番組のカラオケ企画で芸人さんなどがよくミスチルを歌っていた。
きっと良い曲だからこうして人気があるんだろうな、でもやっぱり私にはわからないな。そう思い続けてきた。

社会人として仕事にのめりこんで5年目、尊敬する上司の車で移動している時。
ミスチルの「himawari」が流れた。
上司は「いい曲だよ」と一言だけ言った。

彼女はジャンルを問わず音楽が好きで、こうして車で移動している時、彼女のプレイリストを聞いて影響を受けてきたこと数知れず。
そんな上司が、ミスチルが大好きだと言う。
ちゃんと聴いてみよう、と素直に思った。

3日間、暇さえあればhimawariを聞いた。
たかが音楽1曲、かもしれないけど、今思うと笑えるくらい本気で向き合った。
最初はやはりピンと来ない。中学生の私が「音が、歌詞が」と騒いでいる。
何度も聞いていく内に、音が耳に馴染む。聞きやすいメロディーラインだなあと思った。そうすると歌詞に集中し始める。
シンプルな言葉に導かれて情景が浮かんでくる。ああ、今まで言葉の表面しか見ていなかったんだ。素敵な曲じゃないか。

バンギャ中学生の私が持っていない経験を、今の私は積み重ねてきた。
友だち、恋愛、仕事、楽しいこと、いろんな問題、この年まで向き合ってきた。
だからこそ、歌詞がスッと入ってきたんだと分析。

そうして十数年私の中に居続けた中学生は成仏して、一旦おしまい。めでたしめでたし。

でしたが。
ある日誘っていただき、なんと職場の人たちとミスチルのツアーライブに応募することに。

「どうしよう、himawariしか知らない!」
抽選が当たるかはわからないが、当たった時のために、勉強しなければ!
他の地方の公演のセトリを参考にプレイリストを作って、2週間ひたすら聞いて聞いて聞きまくった。
結果、himawariの時を上回るほど好きになった。
なんで今までミスチル聞かなかったんだ私のおばか!

中でも、最新アルバムの「重力と呼吸」の曲たちが刺さった。
(「himawari」もこのアルバムに入っていることを、この時初めて知った。)
「Your Song」の、日常のさりげない奇跡を共有する温かい気持ち!
「海にて、心は裸になりたがる」の、若い疾走感!
「SINGLES」の、前に一歩踏み出そうとする決意!
歌詞も、音も、私をめった刺しにしてきた!やられた!

公演3日前。信じられないことに、チケット当選。
Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY” 最終日。
約3,000人の沖縄公演に行き、ミスチルの音を、桜井さんの声を、生で聞き、興奮して、涙して、帰ってきました。
(自分的ハイライトは、「SINGLES」に思い入れ強すぎてガン泣きし、一緒に行った人たちにとても心配されたところ!)

苦手意識を持ってた
食べ物もスポーツも堅苦しい場所も
君が薦めるんなら無理なんかせず受け入れることが出来たんだ

時に僕が窮屈そうに囚われている考え事に
なんてことのない一言で この心を自由にしてしまう

                     「Your Song」Mr.Children

今回の経験は、私にとって非常に大きなものでした。
他にも自分の知らない素敵な、音楽が、学問が、景色が、経験が、世界中にたくさん隠れているのかもしれない。

みんなこういう経験は何回もしていて、当たり前のように通っていくものなのかな?
読んでる人に「いい年して」と笑われちゃうかな?
まあ、それでもいいや!笑えばいいさ!自己最高の大発見だったんです。

この乱文を、素敵な経験をさせてくれた上司へ捧げます。
「こんなこと書いてる暇あったら仕事しなさいよ」って笑われそうなので、こっそりと。


※私の文章で、ミスチルのファンの方々に不快な思いをさせてしまいましたら、申し訳ございません。
 ずっと苦手意識を抱えていたモヤモヤみたいなものがありましたが、そのモヤモヤを作っていたのは自分自身でした。
 それがふとしたきっかけで「好き」に変わった。
 この喜びを誰かに見てもらいたくて、自己満足ですが、ここに書かせていただきました。

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