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「共同体」を求めて

私もいつか、誰かと共同体に…

 「共同体感覚」のモデルケースを探していた。親や友達、周囲の人がそのモデルケースとならなかった私は、今更この広い世界にそれを探していた。そうして、気に入るものをやっと見つけた。もはや知らない人はいないであろう、「BTS」だ。細かい御託は必要ないと思うので、私がそう感じるに至ったYouTubeの動画をいくつか載せさせて頂く。

 V(キム・テヒョン)の動画が多いのは、私が個人的に好きだからです。彼の、自分の中の憎しみや辛さを個人的な美学で昇華していく様な姿をみているのは非常に情操感情を揺さぶられます。他者から見ても、その容姿・声は美しいですが、彼は自分のありのままの姿を受け止めようとしているように、私には見えます。

 そう、私が醸成していきたいのは「美学」なのです。これは社会的な正しさとは関係が無い、私の内的な世界観の話です。数年前、恩師にレイモンド・チャンドラーの小説を教えてもらったのを思い出します。

恩師は、「ハードボイルドというのは『自分はこういう生き方しか出来ないからそれを貫く』という姿勢のことをいうんだよ」というふうなことを言っていたと記憶しています。あまりハッキリとは覚えてませんが。

 私は、その言葉を胸にレイモンド・チャンドラーの小説を読みました。まさにハードボイルド小説の代表格と呼べるように、主人公マーロウの心情は描かれず、その行動の詳細のみが淡々と書かれています。そこから読み取れる、「自分の損得を無視した美学に沿った行動」に、魅せられずにはいられませんでした。

 私の好きなアニメに「四畳半神話体系」という作品があります。そこに樋口師匠という仙人の様な風貌の浪人生が出てくるのですが、私は彼の台詞がお気に入りです。

可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。
君はバニーガールになれるか?パイロットになれるか?アイドル歌手に、必殺技で世界を救うスーパーヒーローになれるか?
なれるかもしれん。しかし、有りもしないものに目を奪われては何にもならん。
我々という存在を規定するのは、我々が持つ不可能性である。
我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。
「自分の可能性」という当てにならないものに望みを託すことが、諸悪の根源だ。今ここにある君以外、他の何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。君が所謂「薔薇色の学生生活」を満喫できる訳が無い。私が保証するからどっしりと構えておれ。

 彼はこの言葉の通り、作中では取り乱したり一喜一憂したりすることなく、ただどっしりと構えて肝を落ち着かせているように描かれています。まさに、今ある自分を認め、受け入れ切っているように見えます。私も、そのように生きられたらと、いつも思っています。

貴方の容姿、声、全てがありのままで美しい
ありのままを、みつめて

世界の見方こそ、本当の自分だ

 少し話が逸れましたが、Vをみて私が感じたことについて振り返ると、私は安心するんです。なよううのです。よく、相手の人柄を見抜くには「〇〇さんについてどう思う?」という旨の質問をしたときの答えに全てが詰まっているとか、ロールシャッハテストのように表出にその人の精神が表れるという公的な性格検査も存在します。我々は、各々が各々の内側に「世界観」を持っており、それを自分の外側に投影して世界を見ている、つまり世界をどう見ているかにその人の本当の姿が表れると考えられます。

 ただ、誤解しないでいただきたいのは、私がとても良い心を持っていると自負したい訳では無いということです。確かに私の中にこの様に思える心があるということは個人的にとても満たされ安心することではありますが、それを感じさせてくれたのは、間違いなくBTSのメンバーたちであり、その背景にいる関係者たちなのです。私は、彼らに感謝したいのです。

 人懐っこく協調性のある者が真に賢く、生存戦略として優位に勝利を収めてきたのなら、私は個人的なバックストーリーのためにその世界にある種の別れを告げなければならない。
 そして、私と似ている世界の誰かに向けて、この孤独・フラストレーションをオリジンにして何かを生み出さなければならない。
 そういう意味で、私は何かを探究しながら発信してきたいと思っている。

繊細な心は、強く繋がれる代償に、強く痛む

 最後に、そんなVの言葉をいくつかここに記録しておきたい。これは、私のためであり、この記事をみてくれる数少ない救いを求める人たちのためだ。

自分のことを考える前に、まず自分のために頑張ってくれた人のことを考えると、正しい行動が取れます。
誰かが落ち込んでいるとき、どうしたらいいか分からない人に「頑張って」というより「最近、落ち込んでいるね」「最近、頑張ってと言われても頑張れない状況なんだね」と言ってあげた方がいいじゃないですか。
「Blue&Grey」では、「今、落ち込んでいるよね。僕もそうなんだ、僕たち一緒だね。僕がいま、君の気持ちを話してみようか。君は今、幸せになりたいんだよね。目まぐるしい中、何かが波の様にずっと押し寄せてきてるんだよね」といったことを伝えたかったです。
「그무시라꼬(クムシラコ)」
直訳すると「それが一体なんだ、何故そんなことを気にするんだ」という意味を持つ”方言”。
失敗することも、倒れることも、挫折することもあります。当たり前のことです。たくさん失敗したり倒れたり挫折しても諦めないでください。やめたいとおもっても立ち上がってください。自分を信じられないなら、自分を信じてくれる人の為にも。
誰よりも傷付き幸せに生きてください。どんな人生であろうと、素敵な風景の階段だけ登ってください。
振り返ってみて、大変だったあの日々も僕にとって大切なものだったと思えるようになりました。
「Live a fun and happy life.(楽しく幸せに生きよう)」
人生がつまらなくて幸せじゃないなら、生きているとは言えない。
自分の人生は一度きりだ。楽しく幸せに生きて、終えるべきだよ。

  Vが作詞・作曲に携わった「Blue&Grey」という曲を載せて、終わりにしたいと思います。

ノイズを含めて「自然」で
僕たちはあらゆる姿を含めて、「ありのまま」だ
社会というシステムの中ではノイズを排除したがるけど
それこそ、僕たちを人間たらしめている「人間性」であり「身体性」なんだ
私はいま、それをみつめている

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