ドラムの神々に学ぶ 第10回 リヴォン・ヘルム

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第10回はリヴォン・ヘルムです。

The Bandのドラム&ボーカル、そしてマンドリンやハーモニカまで担当するマルチプレイヤー。2012年に71歳で亡くなりましたが、今も多くのファンから愛され続けています。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。
それでは行ってみましょー!

リヴォン・ヘルムのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①ルーツ・ミュージックに精通した音楽性
②歌うドラマーの先駆け
③シンプルながら胸に響くパフォーマンス
④マルチプレイヤーだからこそ身についた対応力

ではひとつずつ解説していきましょう。


①ルーツ・ミュージックに精通した音楽性

エルヴィス・プレスリーら、ロックンロールアーティストに憧れ音楽を始めたリヴォン。最初に手にした楽器はギターだったそうです。その後ドラムを始め、キャリアをスタートさせます。
ルーツミュージックとは民族音楽のこと。リヴォンの場合はカントリー、フォーク、R&Bなどの影響が強く、The Bandでの演奏は高く評価されています。


②歌うドラマーの先駆け

リヴォンはドラマーであり、ボーカルです。
「ローリングストーン誌が選ぶ、歴史上最も偉大な100人のドラマー」第22位。
そして「ローリング・ストーン誌が選ぶ、歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第91位にランクインしています。
リヴォンのドラムを叩きながら歌う姿に憧れて、ドラムボーカルを志す人も増えていったようです。


③シンプルながら胸に響くパフォーマンス

歌いながらなので当たり前ですが、シンプルな演奏が多いです。しかしゴーストノートやシンバルの使い方など、表情豊かなダイナミクスコントロールが持ち味。
レギュラーグリップを使っていましたが、晩年は腕への負担を考慮して、マッチドグリップに変わっています。スティックを逆さにしてチップ側を持ち、パワーを出しやすいようにもしています。
手首主動でプルビート、自らの歌と絡み合う極上のタイムを聴かせてくれます。


④マルチプレイヤーだからこそ身についた対応力

「色々な楽器を経験して、いざ自分の席(ドラム)に着くと、みんなが自分にどう演奏して欲しいかが良く分かるんだ」とリヴォンは語ります。
僕もこの言葉を聞いてからは色々な楽器に挑戦しましたが、まさにリヴォンの言う通りでした。ドラマーに求められていることは何か…自身の演奏を客観的に、そして多角的に見ることの大切さを、リヴォンは説いているのです。


以上、リヴォン・ヘルムの紹介でした。いかがでしたか?
リヴォン・ヘルムに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?