ドラムの神々に学ぶ 第8回 ジーン・クルーパ

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第8回はジーン・クルーパです。
バディ・リッチと双璧を成す、ドラムをバンドの主役に押し上げたスウィングジャズの大スターです。その演奏には誰もが心躍り、魅了されてしまいます。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ジーン・クルーパのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①あのサンフォード・モーラー直伝のモーラー奏法
②難易度の高いテクニックよりも一打入魂
③創造力豊かなドラムアレンジ
④全ては観客のために…汗だくのドラムヒーロー

ではひとつずつ解説していきましょう。


①あのサンフォード・モーラー直伝のモーラー奏法

モーラー奏法の生みの親であるサンフォード・モーラーに師事し、そのノウハウを体得した演奏は、見事なダイナミクスコントロールを実現しています。
現代のモーラー使いはスピード重視のためか総じて肘主動&プッシュビートですが、ジーンは手首主動&プルビート。素晴らしいタイムで聴衆を踊らせます。テクニックのバディ・リッチ、タイムのジーン・クルーパとも言えますね。


②難易度の高いテクニックよりも一打入魂

「ドラムソロの創始者」とも言われるジーンですが、それほど難しいことはしていません。シングルストロークのスピードこそ速いですが、パッと観て分かりやすい演奏が多いです。
ジーンの演奏は、1打1打意味を持っているかのような「意思」を感じさせるのが特徴です。何故この音なのか、このフレーズなのか…聴き込む程にワクワクさせるような演奏を繰り広げます。


③創造力豊かなドラムアレンジ

ジーンの最も有名な演奏と言えば、やはり「Sing, Sing, Sing」でしょう。基本的にフロアタムだけで歌い上げ、クライマックスは怒涛の連打で締める斬新なアレンジ。ファンの心を掴むだけでなく、数多のドラマーに影響を与えました。
前項にあるように、1打1打に意味があるからこそ、フロアタムだけでも表現が可能になるのです。


④全ては観客のために…汗だくのドラムヒーロー

バディ・リッチとは方向性は違えど、観客を楽しませることに全てを注ぐエンターテイナー。
ドラムソロを確立し、バッキングの楽器だったドラムを主役へと押し上げ、映画にも積極的に出演することで、ドラム=カッコいい! というイメージを作り上げた功労者です。
ステージが終わる頃にはいつも汗だくになる程、集中し魂を込めた演奏には、多くのロックミュージシャンからも尊敬を集めています。


以上、ジーン・クルーパの紹介でした。いかがでしたか?
ジーン・クルーパに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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