ドラムの神々に学ぶ 第2回 ジェフ・ポーカロ

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第2回はジェフ・ポーカロです。
1992年に38歳という若さで亡くなった彼は、今もなお伝説のプレーヤーとして語り継がれています。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ジェフ・ポーカロのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①スナップアップと呼ばれるハンドテクニック
②手首主動のお手本と言える完璧なフォーム
③スライド奏法による高速フットワーク
④ドラムソロはやらない! タイム、グルーヴにこだわる緻密なフレーズ

ではひとつずつ解説していきましょう。



①スナップアップと呼ばれるハンドテクニック

ジェフは生前に残した唯一教則ビデオで、「スナップアップ、手首を使ってスティックを振り上げるんだ」と語っています。そう、アップストロークを基本動作とした「プルビート」をここで説明しているんですね。
ジェフの演奏がどっしり重たく聴こえるのはこのプルビートのおかげです。



②手首主動のお手本と言える完璧なフォーム

手首を使って、という話のとおり、ジェフは手首主動です。ジェフは公言していませんが、動きはほぼモーラー奏法になっています。
手首主動は一般的なモーラー奏法では相性が悪いのですが、ジェフはちゃんと手首主動用のモーラーを体得しています。例えば身体の内→外に振るときはフレンチ→ジャーマンになるなど細かく決まっているのですが、それらを完璧に体得しています。


③スライド奏法による高速フットワーク

ジェフの父、ジョー・ポーカロはパーカッショニスト。その影響もあって、幼い頃からドラムを叩いていたそうです。「当時はペダルに足が届かず、ペダルの上でダンスをしているようだった」と話すジェフ。そのダンスが徐々にスライド奏法として確立されていくわけです。長年積み上げた経験値は恐ろしいもので、圧倒的な速度でバスドラムを鳴らします。


④ドラムソロはやらない! タイム、グルーヴにこだわる緻密なフレーズ

出来ないのではなく、やらないんです。上手く歌えないのが理由だそうですが、これは理想が高いだけですね。
とにかくタイム、グルーヴにこだわります。自身がリーダーを務めていたバンド、TOTOでも、アルバム「アイソレーション」のレコーディング中にフォーム改造を行っており、曲によってタイムがガラッと変わっています。

プレイはシンプルに聴こえますが、よく聴くとハイハットのアクセントやゴーストノートが細かく散りばめられていて、めちゃくちゃ難しいパターンを涼しい顔で叩いています。



以上、ジェフ・ポーカロの紹介でした。いかがでしたか?
ジェフ・ポーカロに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。

それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!


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