ドラムの神々に学ぶ 第13回 リック・マロッタ

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第13回はリック・マロッタです。
日本ではSteely Danでのセッションが有名ですね。作曲家としての顔も持つグルーヴ・マスターです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


リック・マロッタのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①精密なボディーコントロールから生み出されるハイハットワーク
②あのガッドが憧れたタイム&グルーヴ
③ドラムを始めたのは19歳
④「シンプルな方が良い」という音楽哲学

ではひとつずつ解説していきましょう。


①精密なボディーコントロールから生み出されるハイハットワーク

リックの最も有名なプレイ「Peg」のハイハットワークは必聴です。「髪の毛1本分の幅でハイハットをオープンクローズしている」とリックが語る通り、絶妙なサウンドを奏でています。
肘主動で、スティックは支点を作らない持ち方になっており、映像からは完璧な脱力を見ることができます。


②あのガッドが憧れたタイム&グルーヴ

リックは周りのミュージシャンからの信頼も厚く、ソウル系の楽曲でのタイトな演奏に定評がありました。あのスティーヴ・ガッドも「あのグルーヴが欲しい」と漏らしていたそうです。ガッドはややタイムが短めですので、これは納得のいく話です。
リックはプルビートだけでなく、フォームの最適化によってスティックスピードが高いレベルで確保されており、これによりタイムが向上し、より良いグルーヴとなっているわけです。


③ドラムを始めたのは19歳

リックがドラムを始めたのは、何と19歳。そこから僅か数年で、アメリカのトップドラマーのひとりとなってしまいました。
僕は17歳からドラムを始めましたが、遅く始めるのも実はメリットがあります。変なクセが付きにくいことや、遅れている分頭を使って練習しようとするので、成長が速くなることが多いです。
自分を客観的に見て、上達方法を常に考えれば、いくらでも上手くなれることをリックは教えてくれています


④「シンプルな方が良い」という音楽哲学

リックは基本的にシンプルプレイ。同じパターンを丁寧に繰り返すことが多いです。シンプルにすることで隙間が生まれ、他の楽器に自由を与えます。音符を敷き詰めるプレイも派手さがあり楽しいですが、それは本当に必要か?ということを、リックは常に問いかけて来るようです。
ちなみにセッティングもシンプルかつ独特です。実はあの「けいおん」の律が叩いている黄色い小口径のドラムセットが、リックのシグネチャーモデル「Hipgig」です。小口径でも存在感のあるサウンドで、リックの演奏を支えています。


以上、リック・マロッタの紹介でした。いかがでしたか?
リック・マロッタに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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