ドラムの神々に学ぶ 第23回 ユリエル・ジョーンズ&リチャード "ピストル" アレン

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第23回はユリエル・ジョーンズ&リチャード "ピストル" アレンです。
モータウンレコードの演奏を担っていた「Funk Brothers」のメンバー。ベニー・ベンジャミンがアルコールとドラッグで調子を崩して以降、モータウンを支えた両輪です。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ユリエル・ジョーンズのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①3人の中で最もファンキー
②どっしりしっかりしたグルーヴ


リチャード "ピストル" アレンのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

③シャッフルの達人
④軽快でスピード感溢れるグルーヴ

ではひとつずつ解説していきましょう。


ユリエル・ジョーンズ
①3人の中で最もファンキー

モータウンのアレンジャーであるポール・ライザーは、「ユリエルのドラムサウンドは最もオープンでゆったりとしたもので、モータウンが誇る3人のドラマーの中で、最もファンキーだった。彼は様々な要素をミックスし、どんなセッションもこなした」と太鼓判を押しています。
マーヴィン・ゲイやダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーなどの楽曲でもドラムを叩いています。


②どっしりしたパワフルなグルーヴ

ユリエルは手首主動でプルビートの使い手。ハイハットのタイムに対してスネアのタイムが若干長いため、バックビートが重ために感じられます。
ルーツはジャズで、アート・ブレイキーの影響が強く、ソフトなプレイだけでなくハードヒットも得意。パワフルな演奏が持ち味です。



リチャード "ピストル" アレン
③シャッフルの達人

ピストルは「Heat Wave」や「Baby Love」など、シャッフルの名演を数多く残しています。シャッフルなら右に出る者はいないと言われる程です。
実際に映画「永遠のモータウン」の中で「Heat Wave」を演奏していますが、60半ばを越えているとはとても思えないほどのハイスピードで、笑顔でシャッフルを刻んでいます。


④軽快でスピード感溢れるグルーヴ

ピストルは肘主動でプルビートの使い手。ユリエルよりタイムが長いが、左右の手のタイム差が無いため、重さよりも軽快さを感じられます。
ルーツはやはりジャズで、マックス・ローチやバディ・リッチから影響を受けています。同じメンバーであるベニー・ベンジャミンからも相当影響を受け、プレイに反映させていたようです。


以上、ユリエル・ジョーンズ&リチャード "ピストル" アレンの紹介でした。いかがでしたか?
2人に興味が湧いたら、「永遠のモータウン」という映画を観ることをオススメします。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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