ドラムの神々に学ぶ 第22回 ベニー・ベンジャミン

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第22回はベニー・ベンジャミンです。
モータウンレコードの演奏を担っていた「Funk Brothers」のメンバー。数々のNo,1ヒットソングを世に送り出したレジェンドです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ベニー・ベンジャミンのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①ビートルズ、エルヴィス、ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズを合わせたよりもNo,1ヒットが多いバンドのドラマー
②ジャズやラテンがルーツ
③メトロノームより正確と言われたリズム
④ビートルズが喉から手が出るほど欲しがったグルーヴ

ではひとつずつ解説していきましょう。


①ビートルズ、エルヴィス、ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズを合わせたよりもNo,1ヒットが多いバンドのドラマー

モータウンレコードの演奏を担っていた「Funk Brothers」。ドラマーは3人いましたが、最初のドラマーであり、最も評価されているのがベニーです。
モータウンのNo,1ヒットの数は凄まじく、上記の歴史的な3バンド+1人のNo,1ヒットを合わせても、モータウンには敵わないのです。
ベニーはあらゆる楽曲に対応するテクニックを持っていたわけですね。


②ジャズやラテンがルーツ

元々はジャズのビッグバンドに所属していたベニー。ジャズはバディ・リッチに、ラテンはティト・プエンテに影響を受け、自身のスタイルを構築していきます。
モータウンでの演奏は基本的に歌モノで、「簡潔に」というテーマがあったためシンプルなパターンを繰り返すことが多いですが、実際に「ちゃんと」コピーしてみると難易度が高く、ベニーのスキルの高さがよく分かります。


③メトロノームより正確と言われたリズム

ベニーはリズムキープに定評があり、メトロノームより正確だと言われるほどの腕前です。
モータウンレーベルの創設者、ベリー・ゴーディを始めとする何人かのプロデューサーは、ベニーがドラムでジェームス・ジェマーソンがベース、この2人が揃わなければ如何なるセッションも拒否していたと言います。それ程その演奏は信頼されていました。


④ビートルズが喉から手が出るほど欲しがったグルーヴ

ベニーはプルビートの使い手。映像が無いので写真とタイムから検証すると、手首主動であろうことが分かります。
タイムがとても長く、スピード感と重さを両立したそのグルーヴは、同時期に活躍していたビートルズからも熱い視線を浴びます。モータウンのリズムを手に入れようと、彼らも曲をカバーしたり研究したりしていました。
特にポール・マッカートニーは熱心だったようですが…ポールはプッシュビートの使い手。ビートルズの他の3人はプルビートなので、熱心なポールだけモータウンに近づくことが出来なかったのは残念なところです。


以上、ベニー・ベンジャミンの紹介でした。いかがでしたか?
ベニー・ベンジャミンに興味が湧いたら、映像がほぼ無いので、「永遠のモータウン」という映画を観ることをオススメします。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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