ドラムの神々に学ぶ 第25回 スティーヴ・スミス

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第25回はスティーヴ・スミスです。ジャズ・フュージョンだけでなく、Journeyのドラマーとしてロック界にもその名を残すオールラウンドプレイヤーです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


スティーヴ・スミスのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①モーラー奏法による圧倒的なテクニック
②The 歌うドラミング
③オールジャンル何でも来いの対応力
④アメリカンミュージックを研究し尽くした向上心

ではひとつずつ解説していきましょう。


①モーラー奏法による圧倒的なテクニック

スティーヴはバークリー音楽大学でアラン・ドーソンに師事し、19歳からプロデビュー。ジャズバンドやプログレッシブロックバンドで活躍します。
しっかり基礎を学び、モーラー奏法を会得したことで、スピード、表現力、安定感を超ハイレベルで実現しています。
肘主動でプッシュビートの使い手。他のモーラー使いを公言しているドラマーと同様に、タイムこそ短めですが、圧倒的なテクニックの持ち主です。


②The 歌うドラミング

スティーヴのパフォーマンスの中に「口で歌ったフレーズをそのままドラムで再現する」というものがあります。
「歌えるものは叩ける」とは言いますが、スティーヴのそれは難易度が高すぎて困惑するレベルです。
通常の演奏中も頭の中で歌っているわけですから、安定感の秘密はここにあるのが分かります。


③オールジャンル何でも来いの対応力

ジャズ、フュージョンをメインに活躍するスティーヴですが、やはりJourneyでの活躍が有名でしょう。「ロックのように決まったパターンを叩き続けるのは、ジャズ上がりの僕には逆に難しかった」とスティーヴは語ります。
上手すぎてJourneyをクビになったという噂もある程、ずば抜けたテクニックを持っています。グリップはレギュラー、マッチド両方を使いこなし、ツーバスも華麗に操る、あらゆるジャンルに対応できるオールラウンドプレイヤーです。


④アメリカンミュージックを研究し尽くした向上心

スティーヴは研究熱心で、歴史から学ぶ「賢者」です。
自身の教則ビデオの中では、音楽の中でドラムセットがどう構築されてきたか、それによって演奏がどう変わっていったのかを再現しています。
歴史から先人たちの知恵を身につけ、自身の研究でそれを昇華してゆく…スティーヴの音楽への姿勢は、我々が最も見習うべきものです。

以上、スティーヴ・スミスの紹介でした。いかがでしたか?
スティーヴ・スミスに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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