ドラムの神々に学ぶ 第20回 キース・ムーン
世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第20回はキース・ムーンです。
The Whoのドラマー。破天荒な性格で、ドラ厶以外の部分でも伝説となっている、唯一無二のプレイヤーです。
「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。
それでは行ってみましょー!
キース・ムーンのプレイスタイルを簡潔にまとめると…
①ハイハットを使わないリズムキープ
②「リードドラム」と言われる即興性の高いプレイ
③あまりにもラウドで強烈なパワー
④ドラム破壊に代表される異常なまでのライブパフォーマンス
ではひとつずつ解説していきましょう。
①ハイハットを使わないリズムキープ
キースの最も特徴的な部分は、ハイハットをほとんど使わないことです。基本的にクラッシュシンバルかライドシンバルでリズムを刻みます。
ベースのジョン・エントウィッスルは「キースはハイハットが使えなかった」と語ってはいますが、叩いている曲もあるわけで、何か意図があったのだと推測できます。恐らくツーバスなのも原因のひとつだと考えられますね。
ラウドに自由に、キース・ムーンという人間を音にして表現しているように感じられます。
②「リードドラム」と言われる即興性の高いプレイ
The Whoはリード楽器とリズム楽器が入れ替わっていると言われる程、ユニークな楽曲作りが特徴です。
キースは曲の隙間を全て埋め尽くすかの如くフィルを入れたり、ライブではずっとドラムソロを叩いているかのような曲もあります。同じ演奏は一度として無い、まさに「リードドラム」ですね。
テンポは調子が悪いときは遅くなり、良いときは速くなるといった具合で、恐らくアルコールやドラッグの影響なのでしょうが、かなりムラがあります。
③あまりにもラウドで強烈なパワー
クラッシュシンバルでリズムを刻み、それに負けない音量で太鼓を鳴らし続けるスタミナとパワー。あまりにもラウドなため、他のメンバーはアンプを積み重ねなければならなかったと言います。
肘主動でプルビートの使い手。スティックを振るスピードが速く、高く振り上げるため、凄まじいパワーが生まれています。もちろん力が入っていればこの様には動かせないので、スティックの持ち手は緩く脱力が成され、フォームも理に適っています。
④ドラム破壊に代表される異常なまでのライブパフォーマンス
キースは曲芸のようにスティックを廻したり放り投げたり、ショーマンシップ溢れるパフォーマンスが持ち味です。しかしキースと言えばやはりドラム破壊。ピート・タウンゼントのギター破壊に影響され、キースもドラムを破壊するようになります。
異常なまでのパフォーマンスはステージ上だけに留まらず、ホテルの部屋を破壊して出入り禁止になるなど、「壊し屋」として有名です。
唯一無二のドラマーでしたが、アルコールやドラッグで自らをも壊し、32歳でこの世を去りました。
以上、キース・ムーンの紹介でした。いかがでしたか?
キース・ムーンに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!
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