ドラムの神々に学ぶ 第12回 スティーヴ・ジョーダン

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第12回はスティーヴ・ジョーダンです。
プロデューサーとしてもグラミー賞を獲得しているマルチプレイヤーで、そのグルーヴは世界最高とも評されています。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


スティーヴ・ジョーダンのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①リズムをポケットに入れ続けるシンプルプレイ
②タイムの秘訣はベースとティンパニ
③プロデューサー目線のトータルバランス
④お気に入りのドラマーは100人以上という探究心

ではひとつずつ解説していきましょう。


①リズムをポケットに入れ続けるシンプルプレイ

スティーヴのプレイは基本的にシンプル。ただしシンプルというものを極めているので、存在感や気持ち良さという点では群を抜いています。
「シンプルだから簡単、というわけではない。リズムをポケット(ドラムがそこに居ればバンド全体がまとまるというポイント)に入れ続けるのは、想像以上に難しいのさ。」とスティーヴは語っています。


②タイムの秘訣はベースとティンパニ

物凄く簡単に言えば、グルーヴはノリ、タイムは1拍の長さのことです。グルーヴはタイム、ダイナミクス、音符を綺麗に並べる能力などを含めた、プレイ全体を指します。タイムはその中でも、その人の個性を決めるリズムの中核です。
スティーヴは、タイムが見えるようになったのはベースとティンパニの経験が大きいと語っています。ベースを演奏するようになってから音の長さの概念が生まれ、ティンパニを演奏していたときに「出した音を止める」という作業を必ず行っていたことを思い出したそうです。
音を出し、1拍の長さ分で正確に止める。これによりタイムが養われたのです。


③プロデューサー目線のトータルバランス

プロデューサーとしても超一流なスティーヴ。何とグラミー賞まで獲得しています。演奏だけでなく音色のチョイスやアレンジにも優れ、ドラムの存在感を残しつつ楽曲のクオリティーを上げることが可能です。
ドラムをやっているだけでは辿り着けない領域で楽曲に向き合っているのです。


④お気に入りのドラマーは100人以上という探究心

スティーヴは自身の教則DVDにおいて、お気に入りのドラマーを紹介していますが、その数が尋常じゃありません。ざっと数えても100人以上、それだけ色々なドラマーを研究することで、世界最高とも言われるグルーヴを会得しています。
プルビートによる長いタイムと、肘主動による的確なフォーム。特にレギュラーグリップ時は、ジャストにかなり近づいた演奏になっています。

以上、スティーヴ・ジョーダンの紹介でした。いかがでしたか?
スティーヴ・ジョーダンに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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