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ハコ番によるリレーエッセイ「ハコとわたし」その2(麦窪)

「ハコとわたし」というテーマで文章を書くことになったのだが、そもそもお前は誰やねんと思われていそうなので、まずは自己紹介をしておきたい。麦窪です。どうぞよろしく。

アイコンが伊勢うどんの人と覚えていただきたい。麦だから。


ハコとの出会いは突然に

さて、かくいう私がハコ番としてニネンノハコに関わることになったのは実は昨年末ぐらいであり、ハコ番歴はメンバー中最短である。そんなヒヨッコならぬヒヨッハコがハコについて何か書けんのか? と思われるかもしれないが、実はハコに入りひたって3年ぐらいにはなる。オープンしたころに初めて行っているはずなのだ。
(※念のため日記を確認したら2021/4/8にちゃんと行ってて安心した)

私がニネンノハコの存在を知ったのは、同じ津市にあるコミュニティスペース「ひびうた」でのことだったと思う。ひびうたのスタッフ兼ハコメンバー、という方が数名いらして、その筋から繋がったのだろう。

三年前のある日。ちょうどカウンターがDIYされていた。

私は知らなかったのだが、もともと津市の中心部にはゆるやかな「本・演劇・映画・音楽好き」のコミュニティがあったらしい。その中心地になっていたのが、大門の近くにあったブックカフェ「ツァラトゥストラハカク語リキ」(通称:ツァラ)だったそうな。

残念ながらツァラは2018年に閉店してしまった。その頃私は大阪でヘラヘラしていたので、まさか地元にそんな素敵スポットがあるなんて知る由もなく。誠に残念無念孟浩然。
ただ、ツァラが閉店したということが結果的にハコやその他津市のでぃーぷなカルチャースポットの発生につながっているのは、聞くところによると間違いないのだろう。これだけ大きな種を蒔いて海へと去っていった店主さん……いつかお会いできる日はくるものだろうか。

話が逸れた。ともかく、そんなツァラの流れを脈々と受け継いで大門に開いたニネンノハコという空間に、人生超絶低空飛行だった私が吸い寄せられてきたってワケ。

たしか当時はまだ貸本棚がなくて、ちゃんと「書庫」だった。


私がハコでやってきたいくつかのことと、やらなかったこと。

私とハコとの蜜月がより一層濃ゆいものになったのは(編集部注:決して黒いお金の流れ等はございません)、やはりあのイベントをやったあたりだと思う。

『暇と退屈の倫理学』読書会である。

ハコでは3番目ぐらいに古い読書会かもしれない(ドスト会、華氏451度会の次?)。何気に自慢である……と言いたいところだが、そもそも意外とハコで読書会は開催されていなかった。みんなもっと軽率にやってくれよな。

この本を選んだのは、当時の自分が人生に絶望しつつも何かしら光明を見つけたいと思っていたのがあったと思う。だから頑張って資料やポスターをコツコツ作って、ハコメンバーの方に「やりたいです!」と食い気味に提案していた。あの頃自分は青かった。。。

そうして、「暇倫」読書会がそれなりに盛り上がったことに味を占めた私のイベント企画のタガはぶっ壊れて、息を吐くように「イベントやりたい」などとのたまう人間になっていったのである。(もちろん、直前になると急に冷静になって「やっぱやめようかな……」とビビってるのは相変わらず)
気づけば『国語勉強会』や『文芸誌を読む会』など、準備が面倒な割に集客が難しいイベントを同時並行で走らせている。それが私。

ちなみにこんなタイトルをつけておいてなんだが、「やらなかったこと」はそんなにない。保留になっているものはいくつかあるけど、やりたい。

ハコはけっこう埃が溜まりやすいので、布をかけたり隙間に除湿剤を入れたりと色々工夫している。


ハコがなくなったら、困るじゃないか。

なんか色々書いてはりますけど、結局あんたはハコのなんですの? と聞かれたら困ってしまう自分がいる。ハコ番をしているくせに、人と話すのはけっこう苦手(特に初対面)。他のハコ番の面々のような愉快な個性や頼もしさは持ち合わせていないし(強いていうなら変なこだわりは強いけれど)、なんならこの文章だってSントンさんあたりの文体にめちゃくちゃ引っ張られてる感がある。無意識で寄せてしまうクセ、よろしくないよ。よろしくない。

でも、そんな自分がこうして少しでもハコを盛り立てようとしているのは、ひとえにこの場所ができるだけ長く続いてくれたらいいなと思っているからだ。
もちろん、有志の出資で運営されているスペースが、長く続いていくにはけっこうハードルがあると思う。そしてハコの中心メンバーの意向である「無理をしない」は私も尊重したい。メンバーにもそれぞれの人生があって、とある方もおっしゃる通り、「二年も経てば色々変わる」のだ。

でも、ハコが地元にあってくれることで、救われる人もいるかもしれないのだ。例えば、ここにね。
だから、ハコがゆるく長く続いてくれるように、これからも色々的外れなことをやっていきたい所存でありますよ私は、ええ。

キリンちゃんは私が寄贈しました。確か大阪喜連瓜破の雑貨屋で買った気がする。


……ハコのみんな、あまりこういうこと言わないから私が言っちゃいますけど、ニネンノハコっていう不思議でおもろいスペースがちょっとでも生きながらえてくれればいいな、ってみなさま! ぜひ記事下の「サポート」から投げ銭をお願いしますね!
あなたの愛が明日もハコを温めてくれるんだぜ!(サンボマスター風に)

ハコのいいところ。おしゃれすぎず、ダサすぎない。綺麗すぎず、カオスすぎない。すなわち中庸。


ハコ番紹介② 麦窪

初めてハコに訪れたのが2021年。それから色々あって名前が3回ぐらい変わって、最近は麦窪で落ち着いている。ZINE部長が引っ越してスペースが空いたのをいいことに、ハコの一角を占領して楽器屋さんを始めてしまった。人生で一度はバンドを組みたいと思ってピアノを練習しているが、バンドでやりたいのはドラム。
ハコでは『暇倫読書会』『ツン読書会』『国語勉強会』などを開催。資料作りにはこだわりがある。

その他麦窪関係イベント


リレーエッセー「ハコとわたし」について

ハコのnoteを立ち上げるにあたり、運営の中心メンバーやハコ番、関係者の皆さまに「ハコとわたし」というテーマで文章を書いていただく連載を開始します。
個性的な面々が集うハコ周辺。普段あまり文章を書かないメンバーの意外な一面も見られるかも? 今後の更新にご期待ください!


今後のハコイベント

4/30(火)18:30-20:30 「数学をやってみる会」
5/15(水)19:00-21:00「じゃれ本」
5/22(水)19:00-21:00「戯曲を読んでみる会」

たぶんまだ増えます! 乞うご期待。

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