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超短編小説を北國新聞に書きました

 縁あって、北國新聞が月一回、最終土曜日に掲載する短編読み切り「土曜小説」を書かせていただきました。新聞のほぼ一面分の長さで、拙作は今日の朝刊に載りました。今まで錚々たる作家の方々が書いておいでのコーナーで、一回だけの執筆です。新聞社からの依頼は「石川県内を舞台にした作品で」とのことでした。
 それで明治から戦後まで活躍した輪島の女性漆器作家、天野文堂こと天野わかのを取り上げました。それまで輪島には女性の作家はおらず、彼女の力を引き出したのは、夫の天野三郎だったようです。妻が創作に打ち込んでいるときには、三郎が薪を割って飯を炊き、洗濯物も畳んだというから、今の夫婦の理想像みたいな感じです。
 最初に天野わかのを知ったのは、もう20年近く前でした。建築ライターの仕事で輪島に出かけ、そのときに頂いた漆器関係の本に、彼女のことが載っていたのです。以来、1冊の小説にできないかと模索し続けたのですが、きっかけがなく、年月ばかり過ぎてしまいました。
 それで今回「土曜小説」の依頼を受けて、それなら、いちど短編でまとめてみようかと思い至った次第です。いずれは長編にできれば嬉しいのですが、とにかく、まずは短編で。
 こんなブログを書いていたら、たった今、天野わかののご子孫から電話をいただきました。今回、書き始める前に取材させていただき、気に入ってもらえるかどうか不安だったのですが、とっても喜んでくださって、あー、よかったー。

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