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狂(KLUE)は閉塞感を打破する希望のようなアルバム

2018年のベストアルバムに選んだGEZANの新譜「狂(KLUE)」が発売された。前作の「Silence Will Speak」から何回かライブを見ていて、次に発売されるアルバムは大傑作の予感しかしていなかったが、新譜を聴いてやはり進化を遂げていた。

思えば、2016年に前メンバー(ドラム)の脱退と活動休止からの復活以降とてつもない進化をしている。脱退前に見た全感覚祭でのGEZAN、そして「NEVER END ROLL」を聴いたとき、あの4人でのGEZANであってもうGEZANを見ることができなくなってしまうのかなと思っていたりもしていた。

活動復活の知らせを聞き、2017年の新宿LOFTのとあるイベントのトリでGEZANを見た。そのときに新曲「Absolutely Imagination」を聴いたときになんとも言えない高揚感と嬉しさで涙が出たのを思えている。そこから、徐々に知名度を上げていき、昨年はフジロックに出演。今回の「狂(KLUE)」の発売。4月のレコ発@東京公演の完売。いま勢いに乗っている。

2020年の音楽シーンにおいて、GEZANは重要な存在になると思う。(というか願っている。)

個人的に、いま支持されてきているのは、日本や東京に纏われている閉塞的な空気感を打破する希望のような存在として、音楽ファンを獲得しているのではないかと思っている。2010年代前半の下山(GEZAN)はどことなくアンダーグランドのバンドと思われてきていたと思うが、SNSの普及や音楽を聴く選択肢が広がったことによって、インディシーンの音楽にも出会いやすくなった。GEZANの活動に出会いやすくなり、ファンになった人が増えた。(これは他のインディアーティストにも言えると思う)

世の中で起きている出来事や未来に希望が持てていないモヤモヤ感を抱えている人たちが出会ったGEZAN。その姿は、昨年の全感覚祭の光景が表して居ると思う。昨年の全感覚祭は、東京公演は台風で中止になった代わりに、深夜に渋谷のライブハウスサーキットイベントになった。その時の光景は印象的だったらしい。(僕は行けなかった)深夜のイベントに若者がこんなに集まって熱狂している異様な光景という声を耳にした。無料のイベントということもあったが、全感覚祭に出演したバンドやお客さんは少なからず、GEZANの活動に共感して集まったからこそ見れた光景だったのかもしれない。

そして、今作の「狂(KLUE)」は全曲BPM100縛りの楽曲。一枚のアルバムを通して、一曲になっている。フィジカルをようやく手に入れて歌詞カードを見ながら一曲一曲を聴いている。メロディは、ダブサウンドで聴いていると気持ちが徐々に高ぶっていく。最初から最後まできちんと聴いてほしいアルバムでした。レコ発はとんでもない気がする予感がしている。

サブスクでも聴けますが、フィジカルもこだわりを随所に感じるので、ぜひ。



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