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長い人生のほんの一瞬。

友達のストーリーを見て、私はもう友達の人生の登場人物ではないんだな、と思った朝。

こんなつぶやきをツイッターにあげたら、今までのツイートの中で一番反応があった。

学生だったらクラス替えとか、バイト始めたりとか、友達の交友範囲が変わって自分の知らない友達を見たときにそう思うかもしれない。

私の場合は、インスタの中のストーリーに写っている友達の子供の後ろ姿を見て、不意にそんなことを思ってしまった。自分も当然家族を持っていてもおかしくない年齢だけど、私は一人でいる。

正直に言って今の私は友達がそんなに多い方ではない。プリ帳にはあんなにプリクラがびっしり貼ってあるのに。プリクラに写っている友達はみんなどこに行ってしまったんだろう。




学生の頃は、楽しみがどこか遠い未来にあるといつも思っていた。私は早くその未来に行きたいと思っていて何だか上の空で過ごしていた。勉強も得意ではないし、運動も好きではない。恋愛に熱中することもなく、学生生活も青春!とか感じることもそんなになかった気がする。

でも手元にあるプリクラを見ると、それなりに楽しんでいたように見える。プリ帳は学生の頃のは分厚いのが1冊、薄いものが3冊程あるけど、どう見ても考えても青春の塊だ。

田舎から憧れていた都会に出ることで、プリ帳の中にいる友達とは疎遠になってしまった。けど、都会に出なくても多分疎遠になっていたと思う。多くの友達も同じように県外に出て行くというのもあるし、学校という縛りが無くなった上で友達関係を維持するのは、互いの努力が必要だと思うからだ。

社会人になり、上京してから友達をどう作ればいいのか分からなくなった。最初の頃は何人か遊んだり、一緒にプリクラを撮ったりする友達は出来た。それも楽しかったのだけど、学校みたいに共通の話題がないと、何を話せば良いか分からなくなることがあった。そして自然と疎遠になってしまう。




中学生の頃は、休みの日に友達と買い物に出掛けてプリクラを撮ったり、カラオケに行ったりしていた。プリクラは遊びだった。高校生の頃は、帰りに寄り道して制服で撮ったり、遠くの店でも目新しい機種があれば、どこまでもチャリを漕いで撮りに行った。

なんでこんなに馴染むのだろう。学生生活とプリクラは昔も今も溶け込んでいる。丁度良いコンテンツなのだ。お金も時間もそんなにかからないし、手軽で少し特別感がある。一人ではなく周りもやっているから楽しめる。




いまはプリクラのイラストを描いているので、積極的にプリクラを撮りに行きたい。しかし、大人になると周りでプリクラを楽しんでいる人がいない。と言うか、そもそも友達も少ない中で、更にプリクラを楽しんでいる大人となると途端にハードルが上がる。

これは学校のようなコミュニティ、いわゆるプリクラを共に楽しむ人々が周りにいないから、大人になると自然に撮らなくなってしまう。だから、インスタで現役のJKやJC、もしくは若者のプリを参考にしている。




もう自分が過ごしたあの頃の時間は戻ってこない。友達には友達の人生がどんどん更新されていく。私も同じように更新されていく。長い人生のほんの一瞬でも一緒にいてプリクラを楽しめることが出来て良かったな、と思う。

その状態が永遠に続くものではないと分かっているからこそ、今の子達も思い出としてプリクラに残すのかもしれない。


ELIE


みんなプリクラいっぱい持ってると思うから、いつか『 誰かのプリクラ展 』と言うのをやってみたい。




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