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202X。日本。~縮みゆく独裁国家。エア海外旅行編~

日沈み地下出(いず)る国の反体制機関紙『スキゾちゃんぽん』第一号
※本機関紙を手に入れたラッキーなあなたへ。末尾にあるQRコードを読み込めば次号以降の配布予定箇所がわかりますが、弾圧回避のため大概場所が変わります。

・「架空の海外旅行が流行り、滅びる独裁日本」
 「非常事態委任法」が可決されて、いきなり権力の都合で、ITが発達しだして早三年。言いたいことも言えぬ我が国では「エア海外旅行」が流行っている。街角で、職場で、家の中で、「〇〇という国行きたい」と皆で言い合うのだ。しかも大概〇〇には存在しない国が入る。
 そう。現在スマホに入れるのが奨励されている国家機関運営の認証アプリでは、声も感知され、具体的な国名を入れて、あまりどこどこ行きたいと言うと、「愛国心、郷土愛」ポイントが下がってしまうのだ。声を認証されまいとスマホをずっと消していても「危機管理」ポイントが下がる。声が認証されなさ過ぎても「自己管理」ポイントが何故か下がる。
    大企業中心に認証アプリをダウンロードするのが、就活で受験する条件だったり、スコア提出が必須な企業も増え、バイト面接ですらスコアを使うところがある。他にもダウンロードしないことで生活に不利になることが少なからずあり(病院受診等)国民の大多数がダウンロードせざるを得ない状況なのだ。
 若者を中心に流行る、存在しない国を言い合う遊びは、不自由で息苦しい状況への抵抗と諦念が入り混じっている。しかしある時、大事件が起きた。(続く)

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