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打ち合わせに必要な3つの力

こんにちは。谷田です。

新年明けましておめでとうございます。
2020年が明けてしまいました。かつて、この2020年という年はクリエイターにとっては大きな意味を持つ一年になるだろうと言われてきました。

オリンピックです。
かつての私は、本気で自分が演出に関わると思っていて、色々なプランを用意していましたが、箸にも棒にもかからないので他人事にすることにしました。この悲しき思い出たちは、私の傷が癒えたらまた書こうと思います。

かつて5年くらい前に言っていた、演出のコアになるテクニックは5年前とかから考えても意味はなく、1年くらい前に決めた方が良いと、あるカンファレンスで言った言葉は、その通りになったと思います。

あと、プログラマーの人たちが色々頑張ってスクラッチでプログラミングを作って表現することは重要ですが、テクニカル的にはディレクターがめちゃくちゃ大変なるし、スタッフがものすごくブラックボックス的なシステムに足を引っ張られたり、その信号調整でのトラブルの改善にもかなり予算がかかるかも知れないので、ある程度枯れた技術を使うことで大幅に予算を削れるとか、テクニカルが分からない人が演出の中心に居たら大変なことになる。そんな警告は見事的中した形になりました。


新年が明け、仕事の方も忙しさは有難いことに昨年末から続いていて、今年、来年、その先のプロジェクトの仕込みの大忙しの私ですが。今年一発目の今日は打ち合わせって大切だよね?ってことを書きたいと思います。

私は打ち合わせをより良くする3つの力を提唱しています。
とはいえ、誰も聞いてないかも知れないけれど、私自身も幾度となくこの力によって救われたこともあり、誰かの役に立てればなんかいい感じの人と思ってもらえるので、今日はここで書いてしまおうと思います。

1「定義力」 知ったかぶりと戦う力。

身内での打ち合わせ、クライアントとの打ち合わせ、その打ち合わせの相手に問わず、必要なことは何について話すかを徹底的に理解することです。つまり、曖昧なことを曖昧なまま話を進めないことです。

解決すべく向き合う事象が曖昧だと、アイデアの方向性や軸がブレてしまいます。これがブレている状態で打ち合わせをしても的外れなものになってしまいます。よって、私は、あらかじめ打ち合わせに対して、何について話すかをしっかりと共有し、曖昧な状態を避けるべく、曖昧なものは「定義」して、しっかり認識することが大切だと思っています。

「定義」が決まったら、その定義に基づき色々アイデアを出します。
先日投稿した企画に必要な要素をまとめたり、様々なネタを仕込みます。ネタを仕込んで打ち合わせに行っても再度、この「定義」が正しかったかどうかの答え合わせをします。もし、クライアントと間で、この「定義」がずれていても心配することはなくて、きっちりと自分がこれが「定義」だと思ったということを伝えることが大切なのだと思っています。

もしこの「定義」が違っていたとしても、焦る必要はありません。
きちんと解らなかったことを伝え、相手から聴き出せるようにすることが大切なのです。そうすれば、「おやおや、こいつはちゃんと解らないなりに知ったかぶりをせず、考えようとしてくれたんだな。」と思ってもらうことができます。少なくともそう言う印象を与えることができます。

この姿勢を感じてもらえたらクライアントは「教えてやろう」というプロセスに移行してくれます。そうなった時にこの「定義力」は威力を発揮します。

定義がきちんとできる習慣がついていると、ズバズバと先方の言っている意味が分かるし、解らなくても相手の言葉から定義を導き出すことができるようになっているはずです。

要は、知ったかぶりはいずれはバレます。その時に知ったかぶりをしていたことがバレてしまうと、「こいつは知ったかぶりしてんだな」と思われてその先もこの疑いというか疑念は常に持たれ続けることになることを理解しておく必要があります。

「定義力」とは知ったかぶりと戦うための力であるのです。一か八かの知ったかぶりには覚悟が必要なのです。

打ち合わせに「〇〇ってご存知ですか?」くらいの質問だとその場でGoogle先生にお願いすれば教えてくれそうなものですが、「この製品はウチらしい製品なので」と言われて、「ふむふむ」と頷いている時、きっと相手はこう思っているはずです。「オメー知らねーだろ!」と。

この時に「ウチらしいって具体的にどういうことなんですか?」と聞ける力が何よりも大切な「定義力」を支えています。


2「喧嘩力」 相手の本心を聞き出す力。

第一印象ってとても大切ですよね。見た目の第一印象はその人の人格を認識するためにも結構大切だと私は思います。しかし、ふとした時に思ったのです。

本当に良い人間関係とは、強烈な第一印象があり、それが悪くてもそのあとのフォロー次第でどうとでもなる。第一印象が良い方がいいとは限らないということです。ここで挙げる2つ目の力「喧嘩力」です。これは極めて高等なテクニックではありますが、炸裂すれば非常に効果的に働きます。(こんなこと書いていていいのか…)

つまり「喧嘩力」は第一印象を意図的に悪くして、意図的な険悪なムードを作り出し、ぶつかり合い、激論の末に、分かり合えた感を演出する。そんな分かり合えた状態になった時に「こちらの言いたいことをわかってくれた。」「いいヤツ」として認識してもらう「力」のことです。

例えば、先方がオリエン的に何かを話しているとします。それに対して、理解できていてもわざと理解していないフリをしたり、相手の発言に対して違うポイントの指摘を加えたりすることで険悪なムードを意図的に創り出すことを私はたまにやってしまいます。

なぜ、そんな事をするかと言うと、相手の本心が聞きたいからです。

オリエンというのは整理された要件がまとめられているものですが、実がここに大切な部分が欠落してしまっていることが多々あるのです。私は、この欠落してしまったものをもう一度机の上にあげたいと思うのです。

そうすることで、一番大切な部分を共有した上での議論ができるからです。

そして、それは喧嘩をしなければ机の上に上がってこない事を前提に企画をするわけですから、他社のコンペディターには大きなアドバンテージになります。

しかし、どんなに本質的ないい議論ができたところで、最終的に「こちらの言いたい事をわかってくれた。」「いい奴だ」となるためにはもう一つの力が必要なのです。

3「阿呆力」 最終的に憎まれない力。

喧嘩力を発揮して、喧嘩ができたら、仕上げの段階入ります。

仲直りです。


「僕は何もわかっていませんでした。〇〇さんに、こうやって教えてもらえたからこういう結論に達することができました。本当にありがとうございます。」と阿呆なふりをしつつ、感謝を伝えることで、この関係は大幅に改善の兆しを見せだします。

そして、「生意気言ってすみませんでした。」の一言で仕上がります。
サウナで言うところの「整った」状態になると言えます。

そして、この「阿呆力」の凄いところは、この激論の末に行き着いた結論が、打ち合わせの冒頭で一旦引き下がった「定義」とリンクできそうならしてしまえる可能性を秘めているところにあります。

「〇〇さんのおかげで、分からなかったことがクリアにすることができました。やるべきことがしっかりと見えたと思います。でも。。。冒頭で話したあの僕のアイデアのこの部分と共通する部分多いですよね?」

阿呆力を活用して、一回墓場に送った企画を復活させることができる可能性が出てきます。相手も、「喧嘩を乗り越えて分かり合えたのだから、こいつの言うことを聞いてみたら、意外にイケるかもしれない。」と思ってくれる可能性が高まっている状態になっています。

これはまるで、「昨日の敵は、今日の友」的なことです。

喧嘩しても最終的に仲直りすれば、喧嘩しないよりずっとお互いのことを分かり合えます。むしろわかりあえるとと言うより、こちらの意見を聞いてくれる可能性が高まります。かなり、高等なテクニックではありますが、一度試してみてもいいかも知れません。(自己責任で)


まとめ

打ち合わせに必要な3つの力に関して書きました。

1定義力 知ったかぶりと戦う力
2喧嘩力 相手の本心を聞き出す力
3阿呆力 最終的に憎まれない力

この3つの力と企画の力をもってすれば、おそらく天下統一も成せると私は思っています。

しかし、この力はもしかしたら、私だけが使えている力なのかも知れないので、実施される方は自己責任でお願いします。

本年もよろしくお願いします。

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