犬のチャムと僕

日曜日の15:34

僕の街は気が早くて、もう夕方の雰囲気を醸し出していた

おもちゃで遊んで疲れて
畳に寝っ転がった

仰向けで寝てる僕と天井の間には洗濯物のオーロラが掛かっている

少し眠くて目をつむった

(ここで寝ちゃったら寒くなっちゃうよな…)
そう思って目を開けたら

一緒に暮らしている犬のチャムが僕の顔を見下ろしていた

とても顔が近い

こういう時、動物の距離感というのは不思議だよなと思う

昔テレビで見たアザラシはお互いに乗っかり合い
ペンギン達は互いに踏み合って進む

パーソナルスペースが人間とは違うんだ

まあチャムの顔の近さはちょっと違う部類だろうけど 
なんだかとても近くてとても愛おしい気持ちだ


(チャムはどう思ってこんなに近付いてくれるの?)


ああ チャム 来たのかい 
可愛いね よく来たね

もしゃもしゃ
さわさわ

チャムは重力の関係か、
モチッとしたほっぺたが
ちょっと垂れてて可愛い顔をしていた

毛だらけのチャム 
秋田犬と何かのミックスの子

つぶらな瞳が僕を見つめてくれたかと思えば
フシュンッと鼻息を漏らす

僕らの顔が近いのにチャムは気にせずいつもどおりだ

チャムが僕の顔を舐めてきた
くすぐったいので手で顔を覆い、抵抗した
かわいいやつだ

チャムはしばらく指を舐めてたがやめた

手を外して まだ近いチャムの顔を見た

「チャム!かわいい!これからも!楽しくいこうね!」
僕はそう念じながらチャムの顔を見上げ、強く見つめた

すると犬がよくやる、舌舐めずりみたのを至近距離でやられた

僕はその音が「チャムッ」っと聴こえたので
(チャムのチャムだ…)
と思った

この子が幸せと思ってくれますように

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