うつ病患者のご家族が、理解すべきことって?

【目次】
・長期戦だと認識しよう
・家事の分担について
・収入の補填について(支援制度)
・あとがき

※この記事はあくまでも、患者である私個人の考えです。

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うつ病を含む精神疾患や精神障害は、理解するのが難しいと言われていますが、長年病んでいる患者の私からすると、理解が必要なポイントには、優先順位があると思います。


患者の気持ちなどは、もう千差万別で理解など難しすぎるので、とりあえず「辛いんだな」「大変そうだ」と思っておいてもらったらいいと思います。


ぶっちゃけ、病気を言い訳にして怠けてると思っていなければ、なんでもいいと言ってもいいくらいです。


病気で苦しんでいるのに、仮病だと思われるのは、一番苦痛ですからね。

逆に、ご家族が絶対に理解しておかなければならないポイントは、うつ病は2~3ヶ月で治る病ではないという事だと思います。


ここを認識せずに、看病やサポートを頑張ってしまうと、最初のうちはなんとかやっていても、ご家族の介護疲れや不和の原因になり、家族崩壊ということにもなりかねません。

フルマラソンと100m走を、同じスピードで走る人は居ないですよね?


1~2週間で治る病と同じように、しばらく根性で頑張ればいいと思うのは、失敗を招きやすいです。


うつ病は早ければ1年ほどで、寛解(服薬を止めても働いたり遊んだり、普通の生活ができる状態)になる人も居ますが、何年も治らない人もおりますので、一旦「うつ病」と診断されたら、数年は耐える覚悟をしておく方が妥当でしょう。


しかし、うつ病にかかったばかりの患者さんに、「数年かかるかも」といった絶望につながるような告知は、医師はしないのが普通です。


患者の病状によっては、それは私も賛成です。


治療を進めて行くうちに、体調を見て長期化する場合がある話も、少しづつ伝えるべきだと思います。


ただ告知の問題は医療現場で、最善策を模索してもらうしかないと思うので、私は家庭でどういう対策ができるかという話をしたいと思います。

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前述した通り、うつ病の闘病は長期間になります。


治療期間を短縮しようと頑張って、悪化を招いて20年以上病んでいるのが、私自身ですので、そういう方向に努力をするのはおすすめしません。


長期間かかる病だという、現実を受け入れることがマズ大事です。


そして、長期間かかるということは、頑張って今までの生活水準・生活スタイルを保とうとすると、ムリが生じる可能性が高いということです。

長期の治療を失敗しないコツは、患者はもちろんですが、ご家族も手を抜くことなのです。


家族の1人がうつ病にかかって、患者の家族になってしまう人達は、もともと普通に働いたり、家事や育児をしているのが普通ですよね?

すでに沢山役割がある人なので、患者が出来なくなったところを補うという、大幅な負担の増加は、数日から1~2週間ていどなら我慢ができたとしても、何ヶ月もかかるとなれば体がついて行きません。


ある程度は家事を省略したり、シンプルな生活にしなければ、長続きしないということを認識して、取り組む必要があると思います。


だからと言って、家に居る患者に家事などをさせるのは、悪化を招いたり、回復の妨げになる事なので、よけいに事態を悪くするばかりです。


うちのお父さんは元々家事なんか全くやらないから、病気になっても関係ないわと言う奥様でも、毎日病人に昼ご飯を出すとしたら、やっぱり負担増です。


パートナーが出来なくなった家事は、全部自分でやろうなどと思わず、掃除は週に3回から1回に減らそう、シャワーだけの日を作って、お風呂掃除を時々やすもう、、、などといった、家事の簡素化を図るのが、結果的にご家族のオーバーワークを防ぎ、家族崩壊をも避けられる道だと思います。


綺麗好きな人や、片付け好きな人は最初は辛いかも知れませんが、しばらく闘病すると「うつ病にかかって埃で人間は死なないと悟った」「お風呂に入らなくても人間は死なない」などと、解脱する人も多いです。


尚、うつ病と診断されて6ヶ月経つと、精神障害者手帳を主取得することができます。


自治体によっては家事のヘルパーや、入浴介助などの支援がある地域もあるので、市町村の役所の障害福祉課へご相談されるのもおすすめです。

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働けない期間が長くなると、収入が減るというのも、うつ病の怖い所だと思います。


うつ病にかかってからも、同じ額の収入があるという人はまず居ませんので、そこはもうあきらめ受け入れるしかないと思います。


しかし、日本国は病気の人が飢えて死ねばいいと思っている、非道な国ではありませんので、傷病手当や障害年金などの支援制度があります。


とりあえず、できるだけ支援制度を利用して、総合的にご家庭の経済状況がどうなっているか、把握して生活設計を考えなおすといいと思います。


前述した障害者手帳では、公共料金・公共交通機関の割引、障害者施設の利用など、幅広い支援が受けられるので、ご検討ください。


◎ 傷病手当から、障害年金に移行する時期の図解

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あとがき

以上が、私が考える、ご家族に最低限必要なうつ病への理解というか、うつ病の知識です。


ご家族に知っておいて欲しいことは、まだまだ沢山ありますが、家族崩壊を防ぎ、治療を成功に導く、必勝法などは存在しません。


とりあえず、一番初歩のところで間違わないで欲しいので、この記事を書きました。


幸い私の家族は崩壊はしませんでしたが、私が長年治らなかったのは、上記の事をしっかり認識していなかったのも、一因だと思っています。


23年病んでいる患者がやった失敗は、たぶんやらない方が安全です😉👍


本日もお大事にどうぞ🍀

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