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くもをさがす(西加奈子)

ある小説を読んでいたのですが途中で読むのがつらくなってしまい、まん中あたりでいったん断念してこちらの本にチェンジしたのですがこれまたなかなかの重さでかなり難儀し、それでもどうにか読み終える事が出来ました。
一冊読破したのは2週間ぶりです。読書ペースが遅くなっています。

昨年相当のベストセラーになっていた本なので読んだ方も多いかと思いますが、私は西加奈子さんの作品自体を一作も読んだ事がなく、これが初でした。

40代で大きな試練を迎えた体験記が軸になっていますが、その周りにあるのは、いろいろな人々への思い、日本との文化の違い、ほかの方の言葉からの学び等です。特に異文化への言及については非常に勉強になります。日本が少子化一直線になっている原因をここから感じとる事が出来ます。

終盤、著者は試練を超えた「後」について書いています。
試練が降りかかったらそれに立ち向かう。
人間は、それを超える事に必死になります。
乗り越えれば周りからは「よかった」と称賛されます。
しかし、人生は続きます。となると、次の目標がはっきりせずに苦しむ方も実は多いらしいのです。


私も3つ同時に来た試練を片づけ、それでも新たに対処すべき課題はやってきました。試練がなくなる事も無さそうです。ただ、私の場合はほぼどれも同レベルです。
ただ、著者の場合は命に直接かかわる事です。ここが大きな違いです。

一つの策として、著者は「書く事」を提案しています。そのとおりかと思います。
noteの中にも西加奈子さんと同様の体験を経て今を生きている方がたくさんいらっしゃると思います。ただただ頭が下がる思いです。

そして、そういう方々の当時、現在、どちらに対しても、私にとってはおおいなる刺激になっています。


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至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。