<秘密>を設えるために「異花の馨のやうなにほひを放つ」gave forth a sweet odour as of strange[$${\text{∽}}$$ orange] flowers燈火に火を点じて、枝やらを取りに島を歩きます。森に入って榛hazelから青葉の枝を切り、それから汀へ行って燈心草を束ねて刈り始め、要るだけ刈った時には日が暮れていました。最後の束を部屋に運んで、薔薇と百合とを摘みに行く頃には夜半が近くありました。
青ざめた湖水の底には逆まに映る〈秘密〉がありました。 「勇士と麗人」the lilies and the rosesを集め、「薔薇は燦めく紅宝石の如く、百合はさながら真珠の鈍い光を帯びていた」。<秘密>を設え終え、最後に榛の青葉の枝で窓と戸を塞ぐ。その夜は、詩人の微睡み見る朦朧hazeとした夢の風景を彷徨うような一夜でした。
薔薇十字、「黄金の夜明け」the Golden Dawnの儀式の場に誘われます。手ずから作り上げた<秘密>、緑光を湛える<秘密>に入ってゆきますenter into the eternal kingdom。青葉の隙間から差す「日の光は環をなしてゆらめ」く魔法陣となって待ち構え、入ったその刹那、二人が向かい合う画となります。
冷たくなった詩人に温とい手で触れると、画は忽ち、王の死と再生の二つの刻を一幅の内に捉える錬金術の寓意画に相を変えます。詩人の腕は力なく垂れ、この時初めて気が付きます、詩人が'you must come and find me. 'と命じたその真意に。あるいは'I will be as young then as you are, (...) 'と告げたことの諧謔に。