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日米における起債についての二つのニュースに関するメモ

日米の市場の違いについてよくわからない箇所があったのでメモ。
分かり次第、更新する。


一見矛盾しているような二つの記述を見つけた。

まず9月5日、JFEホールディングスが資金調達を行ったことについての記事から。

日銀が金融政策を引き締め方向に調整するのではないかという思惑で市場の金利は上昇気味で、社債市場では起債見送りが相次いでいる。金利上昇で投資家が求める社債利率とともに企業の調達コストが上がることで、企業にとって相対的に株式での資金調達が有利になる。

[太字引用者] Bloomberg「JFEHD株が急落、日銀政策不透明で増資に株式市場は身構える

市場金利の上昇(⇔国債利回りの上昇)→社債利回り見劣り→社債利率引上げによりカバー、というプロセスを踏むことを躊躇させるほどには、現在の市場金利は高い水準にある(7/28~で特に)。

日本国債10年物利回りを週足で折れ線グラフ表示(TradingView使用)

高すぎる市場金利は社債発行が見送られる原因になりうる。このことは理解できる。

次に9月6日、財務省による口先介入めいた記事より。

5日海外時間では米国の社債発行増加原油高を背景とした米長期金利の上昇や中国の低調な経済統計を受けてドル買いが強まり、一時147円80銭と10カ月ぶりのドル高・円安水準を付けていた。

[太字引用者] Bloomberg「「あらゆる選択肢排除せず」と財務官、円は年初来安値圏から反発

インフレ対策での利上げや原油高など短期的な原因もあって、米市場金利は、過去15年間の中でもかなり高い水準にある。

米国債10年物利回りを週足で折れ線グラフ表示(TradingView使用)

先ほどの論を踏襲すれば、この市場環境は社債発行を抑制するはずである。しかし、記事にあるように、社債発行増加が並行して起こっている。それはなぜだろう?

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