仲間はずれの「冬」
朝方、急に目が覚めた。
時刻は4時30分。
別に悪夢を見たわけでは無いけれど、目覚めはあまり良くない。
二度寝をしようと瞼を閉じるも寝れない。困った。
何だか無性に炭酸が飲みたくなったが、冷蔵庫には無い。
お気に入りのコートを羽織り外に出た。
家の近所にあるコンビニに行くには、様々なルートがある。
しかし、最短ルートで行くとなると、駅を通らないといけない。今日は最短ルートで行くことにした。何せ、寒い。
階段を降りた先には次の階段に続く一本道があるのだが、そこにはいつもと違う風景があった。
壁一面に絵が並んであったのだ。
どうやら、ある学校の学生が書いた絵らしい。
作者名・題名が無い。
上手いものだなぁ、と感心する。
自分が学生の頃書いた自信満々の絵は、担当教師に鼻で笑われたものだが。
絵を見ていると、何か違和感を感じた。
ひまわり・紅葉・魚たちが泳いでいる絵(おそらく、カクレクマノミ)・桜・アイスと風鈴。
今の季節は冬。
なのに冬にちなんだ絵がない。
冬が仲間はずれになっている!と、そんな風に決めつけたりもしたが、そんなことより絵のおかげで、暗い駅が明るくなった気がする。
無事に炭酸を購入。
家に帰って一服していたが、やはり絵が気になる。
もしかして、ひまわりは冬に咲くのかと調べてみると、どうやら、冬咲き用に品種改良されたひまわりもあるらしい。
ひまわり=夏。というのは、先入観、早とちりだった。
いや、そもそもの問題として、カクレクマノミ=夏?
先にひまわりを見たからそう印象づけたのかも。
勝手に冬を仲間はずれにしていたのは、僕の方だった。
かの有名なソクラテスもこう言ってるでは無いか。
無知の知。謙虚でありたい。
余談だが、カクレクマノミの別名はクラウンアネモネフィッシュというらしい。アネモネという花もある。なんで花が咲いている横にカクレクマノミ?と思ったが、それに関連付けたのかも。
色々と想像すると、面白い。
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