私が目覚めると、枯れ井戸の底に居た。見上げると直経十センチほどの青空から朝日が微かに差し込んでいる。
かなり深い場所に居るのが分かった。
酔っ払って落ちたのか?
まるで記憶が無い。
幸いにも何処にも痛みを感じない、怪我は無いようだった。

考えてみると、ずっとこの井戸の底に居たような気もする。
あぁ…そうだった。
私は思い出した。
まだ、この井戸に満々と水が湧き出ていた頃から、私はここに居たんだ。
そうか、私は大神様に見捨てられた井戸の守り神なのだ。

しかし…喉が渇いた…
大神様…お願いです…
最後に…水を一杯下さい…