縄跳び

♪カランコロン♪

雑貨店に、3人の老人がやって来た。

「いらしゃいませ」

「縄跳びあるかな?」

「ビニールは駄目よ」

「そうそう、布を編んだ白いやつな」

「はい、ございます。こちらです」

「おお、それだそれだ」

「2本くらい要るわね」

「ご店主、いくらかな?」

老人たちは代金を払うと、2本の縄跳びを繋いで、大きな一つの輪っかにした。

「よし、これで良いだろ」

「懐かしいわね」

「よくやったもんなぁ…」

その輪っかの中に老人たちは入り、縄を腰辺りで掴んだ。

「あの…お客様。いったい何を?」

「見ての通り、電車ごっこだよ」

「これから、町内を一周するのよ」

「そうだ、ご店主も乗りなさい」

「えッ?」

言われるままに、店主も電車に乗り込むと、いつの間にか4人は子供に戻って行った……。

《出発進行!!》

そして、電車は走り出した。