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「ヒューマンエラー」と「ヒューマンファクター」

1月2日に発生した日航機・海保機事故。事故後の報道やSNSなどで拡散される情報が「原因究明より責任追及」に偏っていたことから、
航空関係の労組などで組織する航空安全推進会議から1月3日に緊急声明が発表されました。

航空事故のほか、鉄道事故、医療事故なども含め、事故の再発防止を考えるためには、責任追及から離れて、原因究明が重要です。責任追及が優先になってしまうと、事故の当事者は真実を明らかにしにくくなり、原因究明に支障をきたすことになります。
2005年の福知山線列車事故など、過去に大きな事故が発生するたびに課題とされていることですが、事故前のJR西日本と同じように特定の人の責任追及ばかり考える方々は少なくないですね。
JR西日本では、福知山線列車事故後、「ヒューマンエラーは原因ではなく結果」「責任追及よりも原因究明」などの考え方で、ヒューマンファクターの観点から、安全性向上に取組まれています。

事故原因の分析など、ヒューマンファクターの観点で考えるとき、
「m-SHEL(m-SHELLとも書く。エムシェルと読む)モデル」
というものがあります。(一番上の画像)
ヒューマンエラーをした人間本人Lを中央において、その人を取り巻く関係者L 、取り扱う装置H 、守るべきルールなどのS 、そのときの環境E 、管理体制mのように、本人に影響を及ぼす要素を配置して、本人は周りのさまざまな物事から影響を受けることをわかりやすく示したものです。
これからも、事故の原因究明のためには、「L」ひとつ(本人)かふたつ(関係者)の責任だけ考えれば十分ではないことが明らかですね。
報道にたびたび登場する「運輸安全委員会」のホームページをみると、過去の事故の事故調査報告書、重大インシデント調査報告書を検索、閲覧できます。

報告書の最初には、「事故の原因究明、再発防止、被害軽減を目的とした調査であり、責任追及のためのものではない」旨が書かれています。
これはとても重要なことです。ご覧になったことのない方は、ぜひみてみてください

※責任追及が必要なこともありますが、分けて考える必要があります

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