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みちのく潮風トレイル コースガイド 40/50 石巻市 金華山

こんにちは。岩手県宮古市あたりを中心に、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパークのガイドをしている人です。みちのく潮風トレイルは南下と北行それぞれの向きで全線を2回踏破しています。
ゲストハウス3710というゲストハウスもやっています。宿泊に限らず宮古市に来たらぜひお立ち寄りください。

この記事は、みちのく潮風トレイルを実際に歩いた経験と写真などに基づく、コースガイドです。全線を50セクションに区切って紹介しています。八戸から南下(SOBO)での紹介をしていきますが、分かりづらい場所などは、なるべく逆向きからの写真も織り交ぜて紹介していきます。ルートが分かりづらい場所の写真には矢印を描き入れています。矢印はあえて手描きの書き殴ったようなへたくそな描き方をしています。きれいに描くよりそのほうが伝わりやすい感じがするからです。

北のスタート1番目の八戸セクションと最後の50番目の相馬セクション、この2つの記事はお試し版として無料公開しています。それ以外の記事は有料記事となります。各記事の序盤だけはお試しで無料にしていますので、続きを読む際には課金をお願いしています。

各記事は、何年もかけて、何度もルート上を両方向から歩き続けていて、現在もなるべく常に最新の情報への更新を心掛けていますので、そのためのご支援としてご理解ください。

記事は一つずつ購入だと1記事あたり200円です。また、全線の50記事をセットにしたマガジン形式で一括購入も出来ます。一括購入の場合には5,000円に割引していますので、一記事あたりは約105円となります。
購入済の記事がすでにある場合も、一括購入は必ず5,000円です。

みちのく潮風トレイル全線コースガイド(有料記事)↓

基本的にはセクションハイクを想定した情報を提供しています。テント泊の情報は、公式のデータブックやトレイルサポーターの情報が参考になりますので、あまり掲載していません。(公式にテントを張っていいと認められている場所は紹介を入れることがあります)

(この記事は2022年11月時点での情報で書いています。あくまで記載の情報は目安として、各自の自己責任にて充分な調査や計画のうえで行動に臨んでください。記載内容の正確性や、記載内容を参考にしたことにより生じたトラブルや事故等について、当方は一切責任を負いかねますのでご了承ください)


■金華山への航路紹介

今回は、みちのく潮風トレイル宮城県 石巻市の離島区間の一つ、金華山を紹介します。

離島を渡航する区間は金華山の他にもいくつかあるのですが、金華山は離島の中でも特にアプローチが難しいところです。
平日の渡航手段がほぼないうえに、マップでの順序通りの鮎川からの通常便では、島に滞在できる時間が1.5時間ほどしかないため、山登りとなる島内のトレイルコース約5㎞を、時間内に回ることがかなり難しくなっています。
体力がある人ならノンストップで急げば間に合いますが、それはそれで、抜群の眺望がある金華山を楽しむには惜しいのです…。

私が歩いてみた印象としては、金華山の滞在時間は2.5時間~3時間がベストだと感じました。
休憩なしでのんびりツアー程度のペースで歩いて回ってくるだけで2時間。。それに加えて、少し神社をゆっくり見たり、山頂で休憩するなら+30分~1時間。

もちろん各自の歩くペースや、神社には必ずゆっくりお参りしたいとか、眺望がいいところで昼食したいとか、人それぞれですが。あるいは人によってはご祈祷もしたいかもしれませんしね。
それゆえに、険しい道とか、距離が長いとかとはまったく違う意味で、みちのく潮風トレイル全線でも難所の一つと言われております。
そういうことで、いつもと違う書き出しですが、まず離島である金華山への渡航方法を整理します。

金華山側の港は、金華山神社の麓の一か所。

本土側の港は2か所のどちらかを選びます。
牡鹿半島南端の鮎川港か、女川駅前の女川港か。

公式のトレイルルートにおける経路の順序としては、南下であれば、牡鹿半島を南下して鮎川港→金華山→鮎川港→網地島ライン→石巻が示されています。
北向きであれば石巻→網地島ライン→鮎川→金華山→牡鹿半島を北上。

ですが、鮎川港から金華山へのアプローチは曜日の縛りがかなりハードルが高いので、行ける日に行く、で、あまり網地島ラインとの順番は気にしなくてよいかと思います。

また、女川からの航路も選択肢に入れて全く問題ないでしょう。
女川航路でアプローチする場合は、南下ルートであれば雄勝→女川→金華山→女川→大六天山→牡鹿半島、北向きなら牡鹿半島→大六天山→女川→金華山→女川→雄勝になります。
女川から大六天山を周回ルートで女川に戻ってくるつもりなら、金華山と順番が前後してもいいでしょう。

現実的には、鮎川であろうと女川であろうと、行けるチャンスがあれば優先して行くようにしないと、金華山だけいつまで経っても攻略できずに後に残ってしまうことが多いと思います。スルーハイクでも金華山だけは日程が合わないのであきらめたという人も見かけます。

あと、たいていの方はルートの都合により、どうしても鮎川付近に一泊以上が必須になるので、そう考えると、船便はどれを使うにしろ、参籠(おこもり)という、金華山神社に泊まってしまうことも選択肢としてなかなか悪くありません。(食事とご祈祷つきで1泊1万円ほどですので、滅多にできない体験として思えば、ありですね)

それから、お正月や金華山の大祭があるときは複数の臨時便が出るので、トレイルルート以外の自然歩道も含めて時間を気にせず滞在したいようなときは、実はお正月付近は穴場だったりもします。

それぞれの航路の紹介は後ほど行います。

■ヤマビルについて

金華山の難易度を上げているもう一つの要素が、ヤマビルです。
鹿がいっぱいいる山ですので、ヒルがいます。牡鹿半島の他のエリア同様、だいたい4月~10月ぐらいが活動期のようです。参考に、10月の終わりごろに私が歩いたときはいませんでしたが、10月頭に歩いた方は目撃しています。
金華山は、もともとアプローチが難しいうえに、ヒルがいる時期を避けるのでしたら、挑む季節も限られてしまいますね。悩ましい…。

港から神社までのエリアや山頂付近はいないと思いますが、山登りのエリアや沢沿いには注意です。ヒルのシーズンに挑むときには、塩水スプレーや忌避剤、装備や服装で対策をしていきましょう。

ヒルですが、上から落ちてくることはまれで、足元から上がってきます。なるべくジメジメしたところや積もった枯葉の上を歩かないように。ヒルがいるところでは立ち止まらない、荷物も地面に置かない。そういった対処が基本。
手で払ったり潰そうとしても潰れも離れもしませんので、忌避スプレーや食塩水のスプレーを吹き付けるのが最も効果的です。それらを染み込ませた足回りにしておくというのも有効。

忌避剤ですが、「ヒル下がりのジョニー」のようなハッカ系はもちろんいいですが、ちょっと入手方法は限られます。通販すればどうにでもなるといえばいえますが。
ディートという成分を過剰に気にされないようでしたら、アースのサラテクトシリーズが、ドラッグストアで普通に売っている虫よけスプレーですが、ヤマビル忌避も対応しているラインアップがありますので、なかなかお勧めです。

成分と効能などよくお調べになって、ご自身に合うものをお探しください。

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