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学歴12年の壁

こんばんは、moikoです。

日本語学校のクラスで「小学校は何歳から?」と聞くと、「5歳から!」と言われ、「幼稚園は?」と聞けば「0歳!から」なんて答えられることがあります。日本語教師を始めたばかりの頃は、冗談かなと思っていたのですが、これは冗談ではないんですよね。

私の学校には、留学ビザ以外で来日している在日生が何人かいます。その中でも10代半ば〜20代前半の学生についての進路について悩まされることがあります。

特に日本との教育課程の違いについて。

例えば、ネパールは日本的に言うと、小学校5年間(6歳〜10歳)、中学校3年間、高校2年間、計10年です。この先、大学へ行くための全国一斉模試があり、大学は3年間の学士と2年間の修士に分かれているそうです。

日本の大学や専門学校に入るためには、『12年間』の教育が必要です。(小学校6年、中学校3年、高校3年)
つまり、ネパールでいわゆる「高校(10年)」を卒業しただけでは日本の大学には入れないのです。それで、留学生は12年以上の教育を受けてから来ます。

在日生の場合、家庭の都合で来日する年齢も様々です。この学歴12年が壁となって、受けたい大学が受けられなかったり、受けるためには25歳位で高校に入りなおす必要があったり、途上国では成績や卒業証明書が簡単に発行されないケースもあります。

来日してからすぐに日本の中学や高校に入れればいいのですが、家庭の事情や教育年数や年齢、日本語力、基礎学力など様々なことが理由でそのまま入れないことが少なくないです。

彼らはこれから日本に定住し、日本を支えていく人材になっていくと思うのですが、それにしてはあまりにも扱いがぞんざいだなぁと感じることも多いです。

日本語が全く分からないままでは授業についていけない、そんな人達の受け皿としての役割も日本語学校にはあります。こういう現状がもっと社会に浸透していって、色々なことが柔軟に対応されるようになって欲しいものです。

これから日本語教師資格も国家資格になり、色々変っていくようです。私もその波に乗って仕事の幅を広げ、社会状況に柔軟に対応できるようになれたらなぁと思っています。


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