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#18|押し入れをワークスペースに改造【空き家再生】

こんにちは、365 WORKSのフジイです。

福岡・田川の空き家を賃貸物件にリノベーションするシリーズ。
以前の記事にて完成した全貌を大まかに紹介しました。

セルフビルドで制作したリノベーションの工程を、
今回からは作業内容別になるべく詳しく紹介していきます。

▼まとめの記事はこちら

今回は和室の『押し入れをワークスペース』に作り変えた内容をまとめました。

この記事では、デザインから素材の選別、制作過程まで
順序立てて詳細に説明しています。


押入れをワークスペースにする理由

改装前

数年空き家として放置されていた、築34年のこの物件。

4部屋あるうちの一部屋の和室には
よくある『押入れ』がありました。

この部屋はベッドルームを想定し
床を板張りに変更し、和洋室のように作り変えるため
押入れを残す理由はありませんでした。

更に現代では押入れサイズの収納は、
奥行きが深すぎて逆に使いにくさもあります。

ではこの空間をどうするのか?と考えた時、
昨今のリモートワーク・自宅作業をする機会が増えてきたことも踏まえて『ワークスペース』にすることにしました。

一畳の小さなお籠りワークスペースです。

押入れワークスペースをデザインする

「一畳の小さなお籠りワークスペース」を考えていきます。

家全体のコンセプト『築古×ミッドセンチュリー』に沿って、
ワークスペースも同じテイストに。

ちなみに1畳と聞くと狭く感じますが、
幅1800×奥行900mmあるので、デスクを置くとしても十分の広さです。

参考にした雰囲気のイメージは、こんな感じ

https://i.pinimg.com/564x/2b/b1/b5/2bb1b560d9157336e83f77eec3d429de.jpg

和の雰囲気を残しつつ、
ヴィンテージライクなインテリア。

プランとしては、以下の通り

和室の全体
押入れ部分のプラン

・デスクカウンター:中段撤去→ラワンランバーでカウンター作成
・壁:ラワンベニア板張り
・床:床補強→自作ラワンフローリング貼り
・扉:襖撤去→障子なしの格子戸

扉に解体のとき余った障子の格子のみ使って、
和の要素を残していきます。

軽く間仕切られるけど、
抜けがあって圧迫感は感じないような工夫をしました。

押入れワークスペース制作の手順

① 解体

まずは解体から。
押入れの中段を撤去します。

② カウンター取り付け

押入の中段を取り払った後にカウンター天板を取り付けます。

高さを元々の中段の高さ850mmほどから、
カウンターの高さ720mmに変えます。

③ 床の補強

押入の床は人が乗らない想定のため、
そのまま乗ると床が抜けてしまいます。

そのため人が乗れる強度を確保するため、
合板で補強します。

12mmの合板を床の根太に対して
打ち付けていきます。

④ 床材貼り

以前も制作したベニヤフローリングを
居室と同じように貼っていきます。

詳しくは過去記事にて↓

⑤ 塗装

・壁の塗装
元々白い塗装がされているので汚れを隠すような塗装を施します。
水性塗料の白で塗りつぶすイメージ。

・木部塗装
ここも過去の制作物と同じように、『オイル塗装』で仕上げます。
使用したのは「ワトコオイル / ナチュラル」。

⑥ 照明・コンセント取付

向かって右手に600mmの長さのライテイングレールを設置。
照明とコンセントの電源はそこから供給。

⑦ 扉取付

元々居間で使われていた障子戸を再利用。

障子紙を剥がし、格子のみ使います。

このような建築様式だと和室の建具のサイズ(一間サイズ)は
だいたい共通なので、使いまわせます。

今回のように窓→押入と全く違う場所でも
使うことができるのが特徴です。

⑧ 完成

左はワードローブ、右はワークスペース
小さな小ないお篭もりワークスペース

完成しました。

軽い間仕切り感のあるワークスペース。

リモートワークや在宅勤務が増えている昨今、
集中できる環境の重要性が今まで以上に増してきました。

2人〜3人での居住を想定している物件だからこそ、
きちんと空間を分けて作業できる空間にしました。


フジイトモキ・365 WORKS|デザインと空き家 on Instagram: "【田川賃貸計画|Day 21】 セルフビルドで空き家を賃貸物件に作り替えている“田川賃貸計画”。 この日は、手間が掛かるのでなかなか気が進まず、先延ばしにしていたトイレに手をつけます。 ○トイレ 壁、床 ベニヤ貼り 壁も床も古臭いタイル貼りのトイレを ミッドセンチュリーな空間に変えていきます。 プランとしては、 ・腰壁:既存タイル→ラワンベニヤを上貼り+オイル塗装 ・壁:クロス剥がし→水性白塗装 ・床:既存タイルに→ベニヤ捨て貼り+塩ビタイル上貼り(モルタライク) この日は「腰壁のベニヤ貼り」と「床の捨て貼り」作業。 腰壁は、カットした“3mm厚ラワンベニヤ”を コーキング材と両面テープで接着。 床は、上に貼り塩ビタイルの下地にするために “9mmラーチ材”を床用ボンドとタイルビスで貼り付けます。 壁を貼っただけでも雰囲気がガラッと変わりました。 タイルを剥がしたりせず、簡単に雰囲気を変えるいい手段かと思います 次回、造作洗面台の続き。 セルフビルドで地道に真心込めて作っていきます。 空き家問題解決や地域活性化を目指し、 地元で活躍するクリエイターに向けた 建築設計やインテリアコーディネートにこだわった賃貸物件を作っています。 --------------------------- 【使用部材】 - ラワンベニヤ:厚み3mm - ラーチ合板:厚み9mm --------------------------- #田川賃貸物件 #田川賃貸計画 #不動産投資 #仲介業者 #不動産売買 #不動産投資家 #資産形成 #投資用不動 #リフォーム #戸建て #サラリーマン副業 #副業生活 #利回り #指値 #リノベーション #戸建て #一軒家 #古民家 #福岡 #田川 #地方移住 #田舎暮らし #空き家 #diy #セルフリノベーション #地方暮らし #uターン ・" 11 likes, 0 comments - 365_works on November 4, 2023: "【田川賃貸計 www.instagram.com


まとめ

古材や古道具、残せるものはなるべく残していきたいとは思っています。

しかし古い価値観や時代にそぐわないものを絶対的に残すことが良いとは思ってはいません。

時代の移り変わりにより、家の作りや収納のあり方など
どんどん変わっています。

その時代に最適化した空間をきちんと把握し、
リノベーションに落とし込む。

現代の生活様式は何か、どんなライフスタイルが心地よいか、
暮らしやすい間取りはどんなものか
デザインをしていく上で日々アップデートさせることが大切だと思っています。

そんなスタンスを持ちながらの、
少しチャレンジングなリノベーションでした。

ぜひ和室のある築古物件をお持ちの方は参考にしてみてください。

▼家全体がコチラ

日本の社会問題でもある“空き家問題”。

リノベーションの観点で“空き家問題”を解決することを目的に
空き家再生を行っています。

福岡・田川の空き家を賃貸物件にリノベーションするシリーズでは、
築古物件のDIYノウハウをメインに発信していきます。

お読みいただきありがとうございました。 
よろしければ、フォローもお願いいたします。



フジイ トモキ / 365 WORKS・代表
(@365_works )
「家をつくる、日々をつくる」を コンセプトに
住宅リノベーションを デザイン・セルフビルドを行う
「365 WORKS」代表。

1990年岡山生まれ。
大阪モード学園インテリア学科卒業後、設計事務所、東京で工務店、ライフスタイルショップを経て独立。

現在は広島を拠点に住宅リノベーションのデザイン・設計・セルフビルドをしています。福岡県田川市にて空き家をリノベし戸建賃貸物件を運営中。

proshirout(プロシロウト)というグループで「立ち飲みイベント」や「ラジオ」をDIYで企画制作をしています。

主なお仕事
・住宅のリノベーション
・家具の製作
・DIYの相談、手助け

▶︎Blog:Magazine 365
▶︎Instagram : @365_works
▶︎Twitter : @fujii365
▶︎Facebook : Tomoki Fujii
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▶︎note : Magzine 365

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