夏のおわり、バイクで靄を駆け抜けた話

気のいい友人が、バイク整備してくれたので取りに行ってきた。
遠い!行きたくない!ちゅてゴネたらバイクは引取りに来てくれたけど、2週間も手元にバイクがないなんて考えられなくて、電車に乗ってお迎えに行った。

降水確率90%、小雨予報の仕事終わりの夜だった。
仕事が終わって、部屋にかばんを放り投げてお財布だけ取り出す。
無印の麻のエコバックに何年前最後に着たのかわからないメッシュジャケット、ヘルメット、タカイの革手袋を放り投げて。

よいしょって担いで、電車に飛び乗る。
IGR、いわて銀河鉄道だ。
交通系ICカードは一切使えなくて、改札も手作業で駅員さんが居ないとなりたたないやつ、きっぷは、硬いだけのただの紙。

すごい乗り心地の悪い電車だった。
揺れる、緩急がある、揺さぶられる、酔いそう。急停止。
お嬢様のティーカップなら間違いなくこぼしているし、藤原とうふ店なら隣の人に激おこされているだろうか。
学生さんは、車内でもせっせとお勉強をしていて、えらかった。
私は学生時代、宿題もノートも取らない、見て覚えるタイプだったからか眩しく感じた。

駅に到着すると友人がチーム名の入った軽で迎えに来てくれていた。
バイクは車庫兼作業場に置かれていて、駅から5分ほど先にあった。
その車庫は普通の家の2倍くらいの広さがあって、冷暖房、冷蔵庫に電子レンジ、オーディオまで完備されていて住めるレベルだ。
私専用にマットレス用意してくれたら寝られる…。
ここが近所だったらなぁと思ってしまう。

大きく2つに仕切られていて、片方ではESTIMAの足回りをなんか色々していた。
片方にはジムニーの古いけどきれいな幌車があった。
色々頼まれているらしい…。sugoi

壁にはどうやって使うのかわからない塗料がずらりと並び、一般の工具店と同じくらいの品揃えがある。
男の子にとっての秘密基地だなー、ええなぁと思いました。

そこで、愛車がぴこりんと。
細かいバージョンアップを各種してもらいました。

4号に出るまで先導してくれて(クソ飛ばしやがる)そこから一本道。
御堂の付近だけ2,3回止まっただけ。
あとは、道の駅 石神の丘と滝沢の分かれと巣子で一度ずつ、あとはずっと5速で気持ちよくツーリング。

途中モヤなのかきりなのか雲なのか、湿度100%のような空気に包まれた。
この空気は熱くもなく寒くもなく快適だけど、湿度が高い状態で。
月もない夜だったからか、LEDに換装したばかりのライトが空からの細糸をちらちら写す、
素敵な空間だった。
空気の層がさざ波のように押し寄せて次から次とライトが目に見えない色を映し出す。
幽霊のような気配もあるといったらあるような、バケタンをバイクにつけておくのもありかなと思った。

今日取りに行けてよかったなと強く縁を感じた日でした。

ツーリングはよい。
一人で行けるのもかなり良いし、仲間も走るのも良いという。


これに投げ銭するなら地元の温浴施設でジュース買ってほしいレベル