他人

darling, 黄昏が傾いた先に、
今夜もあなたがいると想うと、
胸がチクリチクリと痛むけれど、
やっぱり、今夜も、あなたはそこにいなくて、
あなたが乗った電車の時刻表を調べるしかできない、
「他人」のわたし

「他の人」って、じゃあ、
あなた以外に、あなたである人がいるってことだろうか
じゃあ、北風と南風が混ざれば、秋ってことで、
いいだろうか

逢いたいと願うこの気持ちを、
心が、
あなたが好きだ、
と勘違いしてしまっているだけだろうか

そう、願う

淡い恋
儚い幸せ
重苦しい夢

1人、
東京のベランダから、
微かに見える星々が、
こんなに哀しくて、
美しいものだと、
教えてくれた、ただ、
愛しい人

火曜と木曜の夜だけ鳴る、
ノックの音を待つ、
日曜の深夜2時

「他人」という音とともに、
カランと響かせた、
ウィスキーのロック



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