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食べ塾35:スタグフレーション環境下での飲食店の生き延び方4項目を提言!

スタグフレーション→物が売れない不況下なのに物価上昇が続き経済の循環が一層悪化する経済状況。(私の理解の範囲での表現)

今回のスタグフレーション的傾向の最初の引き金は2つあり、
原油高と、コロナ過や天候異変で生産力が落ちているのに「食肉・大豆・小麦粉」の料理の基本食材が値上がりしたことで、全ての食材が雪だるま式に値上げを繰り返しています。

●原油の高騰・・OPEC産油国等の「強制インフレ策」です。
 ・食材輸送費の高騰→食材の小刻みな繰り返しの値上げにつながる
 ・店舗の電気代、ガス代の値上がりにつながる
 ・弁当容器などの包材品の値上がりにつながる

●小麦の高騰
 ・基本原料の小麦が値上がりすれば、全ての麺類が値上がりします。
  ラーメン、うどん、そば(10割以外)、パスタ、餃子の皮 など

 ・加工冷凍食品(業務用加工品)の多くが値上がりします。
  弁当やオードブル、おせちなどに利用されています。

●大豆の高騰
 ・揚げ油の高騰で、
  今までは原価計算に入れていなかったお店も原価計算に加える必要が
  あるほどになりました。(1年前の60%強の値上がりです)

●牛肉の高騰
 ・もはや和牛の正肉は、高級焼肉店でしか食べられなくなると思います。
  豚肉、鶏肉と牛豚鶏のホルモンを食材にしましょう。

 ・今後の輸入牛にしても「高値安定」になるかと思います。
  避けて使わないか、逆に積極的に使って差別化するかお店としての
  選択が必要になります。

 ・今は、牛タン・マクミなどが「永久高価格品」になりそうです。
  最終的には、日本で普及した牛タンを食べる風習が、中国や東南アジア
  に日本から出店して広めたために、現地の国でも食べるようになった訳
  です。
  中国での大量買い付けが今後の高値安定になるかと思います。
  (*今までアメリカ人は牛タンは食べないから豊富に買えました)

 ・大豆ミート(代用肉・フェイクミート)の普及が促進される
  健康志向の高まりとも合わせて、一番高く飲食店が買う牛肉メニューの
  開発が進むと思います。
  *大豆ミートの牛タンとかもですね。 

■今後作るお店はこんな条件で確保しましょう!

●条件1:家賃がゼロ又は相場の半額以下にする

  飲食店の3大経費「食材費・人件費・家賃」のうちの一番判断しやすい

家賃が不要・・・自宅店舗、自社用地にある店舗、償却が終わった店舗

家賃が半額以下・・飲食店より坪家賃の安い「物販店」「スーパー」
 「倉庫」「民家」などを利用して飲食店化することです。

*ただし、建物の用途変更で飲食店が可能か、
 給排水設備(給水管の径が25mm以上、排水管の径が100mm以上)(私の目安)あるかどうかが必要です。

●条件2:経営者1人で経営、又は家族経営、
     又は少人数経営にする

経営者1人で調理と接客をする
 まさにホット💝な居心地の良いお店が実現すると思います。
 料理の出来上がりやドリンクの遅れが気になる人は来ませんが、
 マイペースで飲食を楽しむ人には極上のお店です。

家族経営にする
 2人でも、3人でも懸命に仕事をするチームなら良いと思います。
 金銭や食材のごまかしで気を遣うこともありませんし、
 暇な時、忙しい時の阿吽の呼吸が図れます。

少人数経営にする
 
これからの飲食店の考え方は、
 〇短時間高売上
 〇通し営業
 〇最少人数経営
 〇食材原価率30%以下
 の4つです。

 いいことずくめですが、こうでないと営業利益が残りませんし、
 従業員さんに時給1500円や2000円を払うことができません。

 *たとえ50席であっても、3人で調理、料理提供、接客ができる
  仕組みを新規に作る発想力が利益を生むと思います。
    
(決して不可能ではありません)必ずどこかが始めます。

●条件3:食材比率30%以下の業態を作る

  食材の高騰がこれから何年も続きます。
そうすると、
欧米のようにメニュー価格は今より50%高くなるように
順次変わってきます。3年以上の歳月がかかると思います。

<さらなる2極化>

安く売るか、より高く売るか超2極化が進みます

・安い外食でランチや夕食を済ませる人、
 →低価格で空腹を満たせる・・・・低価格×複数回利用

・普段は外食せずに、外食する時は中~高の予算で利用する人
 →中価格~高価格のお店をその都度、選択して外食を楽しむ
  ことになります・・・・・・・・高価格×単1回利用

 
*しかし高級客の同一店利用は月2回~1年1回まで利用の
  仕方は人によりさまざまです。

この情勢下で、結局のところは「食材原価率30%以下」のお店だけが
健全な形で生存できると予測しています。

食材価格の高騰や人件費の高騰に押しつぶされるお店はなくなります何よりもお店の総合力を武器に価格政策で「値上げを実現できる」お店が生き残ります


●条件4:借金なしか、又は最小初期投資店
     にする

店舗取得費を最低限に交渉する
 借りる、買う=取得する にしても安い方が良い。

内装工事費は極力かけない
 客単価4000円以下は、内装にお金をかけても元が取れない。

厨房設備はお金をかけない
 電気製品(冷蔵庫・冷凍庫・食洗器・製氷機)以外は中古を使う。
電気を使う機器は新品から5年以内の中古にする。(*品番をネット検索)

食器は新品を使う
 使用済食器と明らかにわかるものは、新規店ではお客様の評判が悪い。

4つの項目のうちたとえ1つでも実現できれば、
他店の負担と比べて大きく差が出ます。


これからは、99%のお店はお金をかければかけるほど
生存率が怪しくなります


(了)





           



  


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