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好きだけど告白しない、辛くも幸せな選択。

好きな人がいた。

出会って数年、すごく仲が良かった友達。

はじめは恋愛感情なんてなかったのに、
いつしかその人のことばかり考えるようになっていた。



きっかけは何だったのだろう。

振り返ると、ある日の出来事を思い出す。



気になる友達含め8人くらいで遊んでいたのだろうか。
いつも通り何気なく、話をしていた。


その帰り道、歩いていた時の
気になる友達が振り返って微笑みかけてくれたあの瞬間が、そうなんだろう。


話題はほんとにたわいもないこと。
僕は、自分が小顔であることを女の子に対してよくネタにする。

「ほんと顔小さくて困るわあ」

毎度おなじみのように、前を歩く気になる友達に冗談交じりに言った。



そしたら笑いながら振り返ってきた。
「は?黙れ(笑)」


その瞬間にビビっときてしまった。
かわいかった。
笑顔がかわいい子なんだって思った。



それから友達として接することが多くても、
見え方が違った。

人として尊敬してる部分があったからこそ
いつしか好きになっていた。



ーーーーーー

卒業前に「付き合ってほしい」と告白しようか悩んだ。

でもできなかった。というかしなかった。


その友達は大切な親友の1人。
困った時は心の支えにもなってくれるような。

だから失いたくなかった。


春は出会いと別れの季節。
新たなことが始まるタイミング。


この時期に告白して
仮に付き合えたとしても上手くいくかわからない。
付き合えなかったとしても、相手にごめんなさいと言わせてしまう。


お互いの関係に亀裂が入ることは明らかだった。



だから堪えた。




ーーーーーー

最後の日、会って話をした。
これまで支えてくれた感謝を伝えた。

でも気持ちだけはどうしても伝えたくて
こんな内容の手紙を渡した。



好きだった。
でもこれからも友達として仲良くしてね。



そしたら相手も理解してくれたようだった。

ありがとう。
これからも変わらずよろしくね。

と後から連絡がきた。




嬉しかった。

自分の気持ちを伝えられてかつ今まで通りでいられる。
これがもっともベストな答えだと思った。




辛い気持ちはある。

でも「辛」という字に、線を”一つ”加えたら「幸」になる。


辛いことと幸せなことは
それだけ近いものだということ。



たった一つ、自分の気持ちを堪えただけで

その辛さは幸せと感じることもある。



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