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インドのビザ申請手続き:追加書類は必要だが一歩前進

日曜日に急遽日本に帰国し、新しい会社に入社するためのビザの手続きを進めている。

月曜日の朝一番にインド大使館にビザ申請書類の提出に行って来たが、書類に不備があり出直しすることになった。初日の様子と指摘内容は以下↓



指摘された以下の3つのうち、
①雇用契約書に私の住所が記載されていない
②Certificate of non-availability of required skillに「non-availability」である事が明確に記載されていない
③self requestが無い(なぜビザが必要なのか?を記載する→自分で用意)

①は私が見落としていただけだったので、解決。署名、日付を記入して、提出用にコピーを取った。
②は指摘があった後にすぐ人事とやり取りし、再作成してもらえるようにお願いしたが、「前任者もこれだったから問題ない」の一点張りで、同じ書類で再度チャレンジすることになった。
前任者がとってもできる方で、3年前なのにdraft版を持っていたのですぐに連携してくれた。この書式の方が規定に沿っていていいような気がするが。。。
③は昨日大使館を出てすぐに作成した。友人に英文をレビューしてもらい、セブンで印刷、署名した。ネットがある時代バンザイ

①③はその日のうちに解決したが、②は微妙である。

が、会社が出してくれないものはない。
3点の指摘のうち、2点は用意したのだから再度行くしかない。



この日も天気が良く、頬にあたる風は冷たいが、歩いていると汗ばんでくるくらいであった。

大使館のゲートに着くと、セキュリティの方が私を覚えていたらしく「はい、2回目ですね~」と声をかけてくれた。今回は昨日より遅かったので、9番目だった。

上記②の対応が済んでないので、指摘が入り今回もダメかもしれない。そしたら、他の申請者(特に会社員らしき人)に聞いたらいいエージェントを教えてくれるだろうか?、などと考え、教えてくれそうな人を探して待合室できょろきょろしていた。

9時半になって他の申請者と職員たちがやり取りしているのを見ながら、
今日の受付は昨日の人と違うからいけるかも?
はじっこの優しそうな日本の方が受付てくれたらいいなあ、
などと考えながら順番を待った。



自分の順番が来たので、窓口で書類を提示する。

「アナタは昨日も来てマスね?何がいけなかった?」

・・・まずい。昨日とは違う人だけど、私が昨日も来ていた事は既にバレている。(いやバレたっていいんだけど笑)

そこで、「self requestが無かった事と、cotractに住所が無かったので確認してきました。」と、上記①③についてだけ言ってみた。

どんな手続きもそうだが、職員によって対応や回答が違うこともあるし、たとえ規定と違っていても上の人が承認すれば通る案件があるのだ。
特にインドはその傾向が強い様に思えるので、権限のある人とコネがあるかどうかで処理のスピードが大きく左右されることが多い。

その職員は「そうデスか・・・・」と言いながら、書類を再度確認していく。上記②のnon-availability certificateについては何も言われなかったので、(もしかしていけるか?)と思いながらこぶしを握り締めていると、

なんと昨日受付をした職員が、たまたま隣の窓口に来てしまった。

私の書類を確認中の職員は、「ねえ、ちょっと、これ何がダメだったんだっけ?」と昨日対応した職員に確認する。

「ああ、それはね、non-availability certificateが無くてね・・・」

あああ~言っちゃったよ。。。

私の希望は儚く散り、そのまま書類は昨日受付した職員に渡され、やはり同じことを言われたのだった。



昨日も対応してくれた係員は、再度書類を確認して、「non-availability certificateが無いですけど?会社にお願いしました?」と予想通りの質問をしてきた。

(だよねえ~。。気づくよね)と心の中で悪態をつきながら、

「会社に確認しましたが、再発行はできないそうです。同じ書式で前任者のビザの申請は受付されているし、ビザも発行されていますので、これで受付してもらえませんか?過去の履歴も調べてもらえると助かります。」と、人事に言われた通り言ってみた。

すると「じゃ、確認するからちょっと座って待ってて」と言われた。

ドキドキしながら待っていると、
「3Kさ~ん」と呼ばれ、
「じゃ、中に入ってください。上司が話しますので。」と言われ、カウンターの奥に入るためのドアが開かれた。

これは・・・、上手くいくのか?
それとも何かがいけなかった?

恐る恐る中をのぞくと、中年のインド人男性が座っており、デスクには申請書らしい多くの書類が散らばっている。

この人に決済権限があるのかもしれない。
印象を悪くしてはならないと、精一杯の笑顔で挨拶する。

男性は気を悪くしたり、怒っている様子は全くなく、ざっと私の経歴を確認した。

2014年に家族でインドに移住したこと、
その時はPIO→OCIを保持していたこと、
2022年に離婚したこと、
そのため、新しい会社に入社するためにemployment visaが必要になり
ビザ手続きの為に帰国して申請手続きをしていることを伝えた。

OCIを保持していた人間がなぜ新たなビザが必要なのかは理解してもらえたようだったし、基本的にはビザが発行されるように協力的な印象であった。

が、ビザを発行するためにはやはりnon-availability certificateが必要で、提出している書類は受付はできないと言われた。

そこで、「前任者も同じ書類を提出していてそれで受理されている」と、窓口で言った事を繰り返した。もう私に主張できる事はこれしかない。

だが、「これは必要書類でこれが無いと発行できないから、会社に頼んで発行してもらってね。ほら、これが見本だよ。」と、他の申請者の書類を参考に見せてくれた。

いや・・・、私もこの書類を用意した方がいいと思ってるんですよ・・・。

双方妥協する様子が無く、暗礁に乗り上げる予感を感じつつも、
会社がビザの発行で必要な書類を規定の通りに発行できない理由が明確ではないので、その職員の言う事に異論はなかった。




他の書類を確認していたその男性職員は、「あ、ついでにこれらの書類に会社の印鑑が押されていないよ?印鑑を押してもらってね。」と付け加えた。

え・・・?そんな大事なことは昨日のうちに行って欲しかったですよ。

問題はnon-availability certificateだけだと思っていたので、急に他の書類についても対応が必要になって、内心慌てた。私は今日本にいるが、書類を発行する会社はインドにあるのだ。

私の心配を察したらしい男性職員は「再発行してもらった書類は先にメールで送ってもらって、その後に原本を日本に郵送してもらえそう?そうしたら、ビザの受け取りの際に、原本を提出できるから。」と言うので、私はほっとした。ネットのある時代にカンパイしたい笑



そして、職員の方は私のインドへの帰国予定を聞くと、フライト間に合う様に検討をしてくれた様で、受付してくれた女性の職員を呼んだ。

「この申請書はとりあえず受理して、処理を進めて。会社の印鑑が無い書類は先にメールでもらって、ビザの受け取りの時に原本をもらうから。後はnon-availability certificateも追加で提出してもらうよ。」

そして、「これでいいかな?」と言う風に私の方を向いた。

もちろん、いいですとも!!

non-availability certificateについて、会社が対応してくれないと言う懸念点はあるものの、何はともあれ手続きが進んでいるのだ。その上、毎日の様に書類の提出や確認の為に大使館に日参する必要はなくなった。この男性職員が私の実家が都内にない事を知って、メールで処理できる様にしてくれたのだ。ありがたいことだ。

このビザの手続きや、インドのFRROの手続きの時も思うのだが、お役所の対応であっても、彼らも基本的には協力したい姿勢を見せてくれ、可能な限りの譲歩や提案をしてくれる。

どんな相手であっても、最後は人と人との間のコミュニケーションなのだなあ、と思うのだ。

魚心あれば水心

どんな人にも良心や人を助けたいと思う気持ちがあるのだと信じたい。



その後は、私の受付をしてくれた女性職員が書類とパスポートを預かり、ビザの申請代金を支払って、その引き換え券になるものを渡してくれた。

ビザの代金はサイトで調べたところ2万円以上だったので、わざわざお金を下ろしていったのだが、窓口で言われたのはたったの1,200円であった。

金額が予想よりずっと安くなってびっくりしたが、まあいい。

初日に対応されて書類をつっ返された時は怖い人に見えたが、
書類を受け付けてもらった今はかわいらしくさえ見えるので、
人の気持ちと言うのは全くあてならない(笑)

手続きが前進したことに気を良くした私は、足取りも軽く大使館を出たのだった。







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