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イベント成功の鍵はオーガナイザーの力量に左右される

11月はとあるイベント二つに参加した。

インドのある地域を盛り上げ、日本との結びつきを強化し、さらに、インド進出を検討している日本企業のインド視察も目的だったが、この二つのイベントが極端に異なる結果であったので、なぜなのかを考えたい。

どちらのイベントもインドの地方都市で開催され、行政もかかわっていた。一つ違いがあると言えば、一方は文化的要素も含まれていたが、もう一方は純粋にビジネスの機会創成が目的であった点だろうか。



イベント①

一つ目のイベントはとある地方で実施された。

インド進出を検討している企業を日本から呼び、プログラムでは文化イベントとしてその地方の歌やダンス等が披露される予定であった。

私は知り合いに誘われて行く事にした。

だが、参加する事は一ヶ月以上前に決めていたのに、聞かないと情報が出てこない事に気が付いた。

例えば、「いつまでに到着している必要があるか?」とか、「空港から現地までの移動はどうすればいいか?」なども聞かないと教えてもらえず、しかも「まだ決まっていない」と言われる事も何度かあった。

今回は自費での参加になるが、それでも参加しようと思ったのは、「地元政府が協賛に入っているから、宿泊先は政府側が負担する。」と聞いたからであった。往復の移動費、宿泊費が費用の最も大きな部分を占めるので、一部でも負担が減るのであれば行こうと思う理由になる。

ここで思いとどまっていればよかったのかもしれないが。。。



せっかくなのでお休みを取り、前日に到着するスケジュールにした。

飛行機で約2時間、ホテルからのお迎えが来るまで(複数の参加者をまとめて送迎するため)空港で1時間以上待ち、空港から1時間半近くかけてイベント会場になるホテルに到着した。

早朝から移動していた私た「疲れたし、とりあえずチェックインして、休もう」と思い、チェックインしていいかを聞くと、なんと「州政府の承認がまだ取れていないから、ホテル代を払って欲しい。」と言い出した。

??「宿泊先は州政府が負担する」って言わなかった?

オーガナイザーの一人は「ごめんなさい。どうします?」と言うが、こっちこそどうすればいいのかを聞きたい。

飛行機で2時間、さらに車で1時間半かかるところに来て、「やっぱり払って」って言われるのは詐欺に近い。承認が取れてないなんて一言も聞いていない。

だが帰りたくとも、すぐに帰れる距離ではないし、空港に戻ったとしてもフライトもあるかどうか分からない。

驚きと怒りと呆れが混ざった気持ちで、どうしたらいいか分からなかった。

その上、早朝のフライトで出発したので、家を出たのは朝の5時頃であった。フライトで食事は出たが、その後は何も食べていないので、お腹も空いていた。(この時は15時近くだった。)

お腹が空いていると冷静な判断ができないので、もう自腹でレストランに行ってお昼を食べる事にした。どうするかはお腹を満たしてから考えよう。スタッフに聞くと、レストランは敷地内の丘の上にあるらしく、敷地内にある車で送ってもらった。



ちなみにホテルのサービスも高いくせにイマイチだった。

ロビーで待っていた時、スタッフは主賓格の人達だけにお茶を出し、私達にはお構いなしだった。近くのスタッフに自分達の分もお願いしたが、10分以上経っても出てこなかった。(後で理由は分かったのだが。)

レストラン棟はフロント棟から車で10分ぐらいだが、急な上り坂になっていて、なぜ10分かかってもコーヒーが出てこなかったのかは理解できた。それでも不満な事に変わりは無いが。

レストランはランチタイムを外していた事もあり、広いレストランはガラガラだった。メニューを見ると普段なら絶対に注文しない様な高い値段が記載されているが、ここは山奥で他に食べるところが無い。

登山に行った山小屋でカップラーメンに1000円払う様なものだ笑
(今はいくらぐらいなんだろう?)

仕方ないので、いくつか選んで注文すると、スタッフはサッと時計を確認し「ごめんなさい。そのメニューは15時半からなの」と言う。

(後15分でその時間じゃん。。)と、思ったが引き下がって、サンドイッチを注文した。それが最も安いメニューの一つだったからだ。

・・・・が、待てど暮らせど出てこない。

もう一度言うが客は数人しかいない。食料を得られる所はここしかないので、ムカついて出て行きたい気持ちを抑え、サンドイッチが出てくるのを待った。

結局、フツーのサンドイッチとコーヒーで、30分以上待たされた上に、1000ルピーも自腹で払った。

私が住んでいる首都圏周辺だったらありえない話だ。サンドイッチはせいぜい300ルピー程度のものだったし、早いところなら10分あればデリバリーもしてくれるだろう。

お腹は膨れたのにさらに釈然としない気持ちを抱えながら、フロントに戻ったが、承認はまだ取れていないと言う。州政府に確認している、と聞いていたので、待ったら更新情報があるのかもしれないと言う儚い希望を抱いていた。こんな遠くまで来て、今日は帰る手段も気力もないので、自費で払うつもりでチェックインをした。

ホテルの部屋は広いし、インテリアも素敵だったが、もやもやした気持ちは収まらなかった。

ランチが遅かった(16時過ぎ)ため、夜になってもお腹は空かず、その日はそのまま部屋にいる事にした。本当は参加者全員でディナーがあったらしい事は後で他の参加者から教えてもらった。

なぜオーガナイザーが最低限の連絡もしないの。こういうところだぞ。



次の日はイベント初日。日本から参加している企業は、現地の人にアピールする良い機会なのだが、なんと「ブースの設置がイベント初日に間に合わなかった」らしく、とりあえず大きなボードに商品やサービスをプリントしたものを展示し、小学校の会議室にある様な長テーブルにパンフレットや商品を展示していた。

イベントとかって初日が大事なのに・・・。

結局、初日のプログラムが全て終わる頃にブースの設置が終わっていたが、初日のみの参加者も結構いたので、ここまで遅れると何のためにブースを設置するのか分からなくなっていた。

メイン会場にはステージが設置され、主賓の方々や参加企業でアピールを希望している人がプレゼンを行っていた。初日の午後~晩はカルチャーイベントで、その地方のダンスや歌や演劇等を見れた事はいい機会をもらったな、と感謝している。

初日のプログラム終了後、参加者の為に中庭でディナーが用意されていたのだが、その日は運悪く小雨が降っていた。雨の中の立食形式のビュッフェは中々に大変で、しかも山奥で夜だったため、寄って来る虫をよけるのに忙しくなった。

もはや、虫が多すぎて、スパイスなのか虫なのかが分からなっていた。

天気は仕方がないが、なんで山奥なのに夜に外で食事しようと思った?



イベントは2日間のプログラムだったが、空港までの移動の為、私は12時頃に送迎車に乗って出発した。結局、チェックアウトの時点でも州政府の承認は取得できなかったらしく(まあ週末なので当然だろうと思うが)、ホテル代を自腹で払い、腹落ちしない気持ちを抱えて空港に向かった。

今回の件で、「怪しいな」と思うべき点は、以下だったと思う。

連絡が適切なタイミングで向こうから提示されない。
→確認しないと情報が提示されない。
→イベント直前になっても未決定事項が多数ある。
イベントについての変更が多い
→今回のメイン会場は直前になって変更になった。
こちらが提示しなければならない事については急がせる
→「州政府負担なので」と、参加を迷っていた時点でも個人情報の提示を求められた。(それなのに州の負担は承認されていない)

これらの「ん??」と思う違和感を無視して参加したのだから、結果は甘んじて受け止める必要があるのだろうと思う。

いい勉強だったし、楽しい事もあったが、これからは気を付けたい。



イベント②

こちらもインドのとある地方で実施された。

今回は文化的要素は皆無で、インド国内だけでなく、日本や他の国からも参加している企業がいて、インド進出を考えるための視察イベントだった。

こちらも2日間の日程で、一日目の朝8時に集合場所に行く必要があったため、今回も朝4時のフライトで家を出る時はほぼ夜中。事情があって当日出発にする必要があったのだが、「午前中の予定がある時は、前日に現地入りする様にしよう・・・」と再度胸に誓ったのだった笑。



集合場所はあるホテルのロビーで、三々五々、参加者が集まり始め、名刺交換や知り合いなのか楽しそうに話をしている人も見受けられた。

スケジュール通りに、時間になるとバスに誘導されて出発。バス二台にはそれぞれ世話役みたいな人が乗っており、最初の説明、必要な地点での説明、見学地では何時に出発なのか等、細かい指示や説明もきちんとしていた。

私はうっかり忘れてきたが(スイマセン笑)、どうやら参加者にはイベント名を大きく刺繍したリュックが配布されていたらしかった。

現地集合・現地解散のイベントではあったが、一日目の昼食と夕食、二日目の昼食は運営側の負担なのかネットワーキングの場としてしっかり準備されており、参加者は費用を負担する必要はなかった。

一日目の夕食については、当初、「自己負担になります」と連絡があったのだが、急遽、自費負担ではなくなった。

同じ直前の変更でも、
事前連絡もなく、突然、自己負担を言い渡され、変更の余地もない、
より
自己負担のつもりでいたのに、突然、払わなくてもよくなる、方が
何倍もいいに決まっている笑

このイベントでも、後半のスケジュールに多少の遅れが出たり、エライ人のスピーチがドタキャンでなくなってしまったり等、ハプニングが無かったわけではない。しかし、オーガナイザーの力の差か、関係している州政府の真剣度の違いなのか、大きなトラブルはなかったと感じたし、プログラムはスムーズに消化できたものと思われる。

この結果を踏まえ、イベント①と②の違いは
オーガナイザーに力がある
協賛している州政府の真剣度に違いがある
じゃないだろうかと思う。

申し込みや、当日までの間も、イベント②は
問い合わせするとすぐに明確な回答がある
スケジュールの更新/変更が随時オーガナイザー側から随時連携される
と、イベント①とは正反対の対応だったので、今後の参加や費用負担の判断基準としては間違っていないと思う。



なお、イベント①では、「承認をもらえたら、返金しますので」と言われていたが、もう既に1カ月以上経過し、未だに「州政府との話し合い」を進めているとの事。返金されるかどうかが全く見えてこない。

その上、後から知ったのは、参加者の中でも主賓についてはオーガナイザーが建て替えをしていたらしく、正直者で貧乏くじを引いたのは私達みたいな普通の人間だけだった。

全員が自腹で支払いしていたと思い込んでいれば幸せだったのに、知らなくてもいい事を知ってしまった。

同じ参加者なのに差を付けられ、1ヵ月以上経っても返金されず、返金の目途も立たっていない。今後、もし地方のイベントに参加する時は全額を実費で払うつもりで参加を決めなければならないな、と思った。

どんな事にも良い面と悪い面がある。

どちらのイベントも勉強になったし、そこでつながったご縁もある。
自分が嫌だと感じた事は、今後の自分の行動に活かしていけばよいと思う。





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