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並んで待つ習慣

今日はいつもより遅い時間にスーパーに行ったので、みんな夜ご飯の支度前なのかちょっと混んでいた。

海外に来て思う事は、どんなに混んでいようとも、きちんと秩序を守って列に並んで待つのは、世界中探しても日本人しかいないのじゃないだろうか、と思う。そんなたくさんの国に行ったことないけど(笑)

コロナになってからの実情は分からないが、コロナになる前の日本の満員電車なんて異常だったと思う。それでも、駅ではみんなドアの両側に並び、降りる人がいなくなってから乗車を始める。乗車する人だって、走って乗車して慌てて席を取ろうとする人なんて見たことない。

ATMとか、レジとかも同じだ。みんなちゃんと列に並んで自分の順番が来るのを大人しく待っている。どの場所もきちんと導線が整えられえている事も影響しているのかもしれない。日本ではどこに並べばいいのか、どこが列の最後なのがが分かりやすく示されていると思う。

インドはあまり並んで待つ感覚がなかったからか、または、人が多すぎるので、隙あらば先に行かないと自分の順番がまわってこないからか、日本と同じレベルでの「並んで待つ」感覚を持っていない。

もちろん最近のモールなどでは並ぶのが一般的になりつつあるが、小さなご近所のお店ではそのような導線は整備されておらず、またお客も並ぶことを良く理解していない場合もあるので、その場合は「横入り当然」「早い者勝ち」のルールだ。

酷い時なんか、自分の番でレジを打ってもらっているのに、右から左から、さらには後ろからも、「これ、1個だけだから。いくら?」とか手が出てきて、困ってしまう事もある。

ちなみに運転していて渋滞してきた時もこのルールが適用されるので、前の車との間はあまり空けない様にしている。前の車との間に少しでも隙間があったりすると、他の車に横入りされるし、ヘンに仏心を出して、譲ってあげたりすると、今度は自分の番が永遠にやってこない。(笑)ちょっと極端な表現だが、インドで渋滞に捕まるととにかく大変である。

私が今住んでいるソサエティ内にあるスーパーもレジ3つが微妙な位置にあるので、誰がどのレジに並んでいるのかが分からず、ちょくちょく横入りされる。結構待ってたのに、そのレジは開いてなかったことが後から分かったりして、結構悲しい思いをしたりもする。

横入りしてくるのは、ぼけているのか見えてないのか意外とおじいちゃん、おばあちゃんが多い。(笑)おじいちゃん、おばあちゃんはなんかしょうがない気がするのだが、この他に「1,2品だけだから」と言って先に入ってくるヤツが結構いて、こっちは結構イラっとする。

こちらでは品物が1、2個だけで少ないと「優先してもらえる」と言う意識を持つ人が多いように思う。(大きなスーパーやモールなどは「品物10個以下専用」で別に並ばせたりするところもある。)

日本のレジ打ちの要員は平均してスキルが高い。長い行列でもバババッと光のスピードで処理していき、長い列もそれほど待つ事はない。よって、日本ではあまり「自分は1個だけだから」と主張する事はないのだと思う。しかし、海外のレジ打ち要員のレジ打ちは本当にの~んびりしているので、並んでいるお客がイライラしてしまうのだろう。

5年ぐらい前に非常にもやっとした事があった。

当時の家の近くのスーパーに並んで、自分の順番を待っていた時の事だ。結構待っていて、やっと次が自分の番になるところだった。

すると、横からすうっと、30代ぐらいの男性が小さな男の子を連れて入って来て私の前に収まってしまった。

え!何この人!!

まだ、インドに来て日が浅かった私は、まだ日本の感覚をインドに持ち込んでおり、「私も並んでますから、あなたは後ろですよ。」と伝えたところ、その男性は「え、だって私の息子まだ小さいし」と自分が先で当然という態度であった。

ええ、何それ!!

「それにこれ一個だけだしさ。」と続ける。(なにこの程度でいちいちうるさく言うわけ?)と言う彼の気持ちがなんとなく伝わって来た。

う~ん。。。。

確かにインドは子供に寛容な国だ。なので優先的に「どうぞどうぞ」と譲ってくれることはよくあり、私も助かったことは多くある。それはお互い様だが、それは「子供がもう待てずにぐずったり、具合が悪かった場合」だったら必要だと思うのだ。その子は全然機嫌悪そうでもなかったし、私の後ろだとしてもせいぜい一人分待てばいい事だ。

それに、仮に急いでいるのなら「小さい子がいるし、一品だけだから先にレジ通してもらってもいい?」と一言言ってくれれば、私も快く譲ったと思う。

さらに言えば、子供と言えど「列に並んで待つ必要がある」ことは教育しておくべきだと言うのが私の考えだ。

結局私も強くは出られず、もやもやしながら、この親子を先に行かせたのだが、これらすべてが私の頭の中でぐるぐるして、自分の中で納得できなかった事を未だに覚えている。

あの時の子供は1歳ぐらいだったように思うので、今はきっと小学校に入学したぐらいだろうか。「並んで待つ」事を学んで大きくなっているといいのだが。。。

どうだろうか。

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