見出し画像

ロロ『本がまくらじゃ冬眠できない』

国際交流基金が舞台公演作品をオンライン配信するプロジェクト「STAGE BEYOND BORDERS –Selection of Japanese Performances– 」にて、ロロいつ高シリーズvol.7『本がまくらじゃ冬眠できない』を観ました。

三浦直之脚本・演出による本作は、いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校を舞台にした“まなざし”がテーマの公演、通称“いつ高”シリーズの最新作。今回は冬休みの図書室を舞台に、“恋”にまつわる物語が繰り広げられる。図書室の長机には本を読むビーチと、本を枕に寝息を立てる水星の姿が。そこに、ビーチの姉の元彼・太郎が誰かを探しにやって来て……。登場人物それぞれの誰かに向ける“まなざし”が、舞台上に織り重なる。

「“まなざし”で語る恋の物語、ロロいつ高「本がまくらじゃ冬眠できない」開幕」2018.11.17.
ステージナタリー(https://natalie.mu/stage/news/308199)

シリーズものだけどこれだけで観ても大丈夫。

まず、高校生である登場人物たちがみんなかわいらしくて愛おしいです。
特に、主人公であるビーチ(端田新菜さん)!大好きな本について語るときの表情や声に愛が満ちあふれていて、とってもチャーミング。

本棚から顔をのぞかせて話している場面がとっても好きでした。まるで大好きな本たちと一体化しているようで。

そして、親友である水星(大石将弘さん)とのやりとり。このやりとりがとても好きでした。こんな友達がいるなんて素敵だなぁ。

ビーチ「私の特別が詰まってるこの本棚は、もうほぼ私なんです」
(中略)
水星「あたし、傑作だったらよかったのに」
ビーチ「特別に水星さんが傑作じゃなくても、私の本棚に加えてあげるわ」

三浦直之作『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校 vol.7
「本がまくらじゃ冬眠できない」』


ちなみに、無料公開されている戯曲の最後に、劇中に登場する固有名詞(本や映画など)の脚注が載っていて、こちらも作品に対する愛に溢れています。


本が好きな人、図書館が好きな人、高校生の透き通るような片想いに触れたい人にオススメしたい、心が暖かくなる作品でした。

寒くなってきたら、暖かくした部屋でもういちど見たいなぁ。

Silent night・・・ Holy night・・・



この記事が参加している募集

コンテンツ会議

舞台感想

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?