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自由律 #05

新しい靴でガム踏んだ

まだ眠れる可能性を探している朝

温厚な人だがタイピングが激しい

縄跳びが耳に当たったことを隠した

怖そうな人も月食を見上げている


今日は「皆既月食」らしかった。
さらに月食中の赤銅色の月に天王星が隠れる「天王星食」も同時に楽しむことができるらしかった。

「らしかった」と言うように、特に意識はしていなかった。意識していたところで、取り立てて仰々しい望遠鏡や望遠レンズを取り付けたカメラをそれに向けるようなことはしなかっただろう。

退勤の打刻を済ませて帰路に着く中、多くの人々が足を止めて夜空を見上げる姿を目にした。
宇宙規模で見るとちっぽけな存在である人間。天体の異変に立ち止まる感性を持つという事実が尊い。

せっかくなので周りと同じようにして見上げてみると、見どころのピークは過ぎたであろうが見慣れない様子の月がはっきりとこちらを向いていた。

日本で皆既月食の最中に惑星食が起こるのは前回が1580年7月26日の土星食。織田信長が生きていた時代。
次回は2344年7月26日の土星食、322年後。

322年後、322年前は誰が生きていた時代だと言われているのだろうか。イーロン・マスクとか松本人志だろうか。

322年後の君に問う。

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