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ラジオの記憶㉕ハヤカワ五味「妄想の泉」の「公開収録」での中田敦彦(オリラジ)と、参加者の質問。

 少し前、テレビで、久しぶりに中田敦彦の姿を見た。

 今は、その肩書きをどう書けばいいのか分からないのだけど、オリエンタルラジオならば、まだ間違いではないかもしれないが、現時点でも、自分の話を聞いて欲しい、という欲望が尽きてない、という言葉に感心もし、そのことで、ラジオの「公開収録」のことも思い出した。

 それは2019年のことだった。

ハヤカワ五味

 その頃、どこで耳にしたのか、目にしたのかも忘れたのだけど、ハヤカワ五味という人を知った。

 20代前半で、すでに起業をし、成功をしているだけではなく、その仕事の姿勢が、自分の必然性から生じているような感じがして、偉そうになったら申し訳ないのだけど、なんだかすごいと思うようになり、ラジオ番組も始めたので、聞くようになった。

 それで、改めて自然な賢さがある人だと思ったのと、さらには、若いから、この「バブル後の20年」をベースにして、これからどうすればいいのかを体感として分かっているだろう、と思った。

 ラジオ番組は2019年の4月から始まったのだけど、ハヤカワ氏は、どうやら、意識して表立った活躍をしようとした時期であったらしかった。

 その上、その番組の中で、「公開収録」と言葉を聞いて、あまり期待もしないで申し込んだら、当選です、というメールが来た。前日まで募集をかけていたから、おそらくは人が満員になってないのだろうと推測したり、さらには当初予定していたゲストの一人が入院した、というお知らせも来て、どうなるのだろう、と思った。

 さらに「公開収録」ということで、スタジオの中みたいなところだと、トイレにも行けなかったり、飲み物を飲んだり、といったことに制限がかかったりするのだろうか、と思ったら、こういう場所に行くのは初めてだから、やや気持ちが重くもなっていた。

TOKYO FM

 半蔵門にあるラジオ局は、とてもきれいなビルだった。おしゃれといってもいい場所だった。昔、スポーツ新聞に勤めていたのだけど、マスメディアには、おしゃれそうでない会社の二種類があるのだと改めて感じた。

 階段で待って、コンビニで買ったコーヒーを飲んで、時間が経った。

 入場する時に免許証を見せたから、考えたらセキュリティには気を使っていると思う。

 公開収録をする現地に着いたら、天井が高く、きれいで、たぶん音響にもすごく優れた100名以上は入るホールだった。

 壇上に椅子があり、これなら、他の場所で経験しているトークショーと一緒だと思うと安心もして、ただ、老眼鏡を忘れて、持っていった本を読むのがとても手間がかかって、だけど、さらに時間がたって、イベントが始まる。

 数えたら、席は140くらい。午後7時過ぎに始まる頃には、8割くらいはうまっていて、客層は圧倒的に若い。ほぼ大学生みたいな感じだった。小柄できれいな髪の女性が自分の前の席に座る。

公開収録の開始

 ハヤカワ五味氏は、小さく体の前で手を振りながら、自然に入場してきて、番組の説明をして、そして「ラジオを聞いている人?」という質問には、自分も含めて微妙な人数しか手が上がらず、あとは、「今日のゲストのオリンタルラジオの中田敦彦のユーチューブを見てきた人ですよね」と続いて、あ、そういうことになっているのか、と自分がまったく知らないことを、知る。

 そういえば中田敦彦氏を、あまりテレビで見なくなっていたことを思い返し、そして、YouTubeで、登録が80万人を超えた、ということで、すごいんだ、と思い、テレビでプレゼンの力の高さは見ているし、それに教育系ということで、意外でもあったが、すごく向いているとも思った。

中田敦彦の話す力

 そこから、ハヤカワ氏を相手に中田敦彦氏が語り出すと、本当によどみなく、芸人は、しゃべる能力が、もともとあるのに、それが、いろいろとあってさらに鍛えられているようで、話す能力の高さに改めて感心する。

 一番最初は、ラッスンゴレライの成功で、YouTubeは可能性があると思ってきて、それでも、ここまで何度も失敗してきた。最初は、音楽関係のレディオフィッシュのメンバーのキャラクターを紹介することをしても、意欲も低いし、再生回数も少なかった。カジサックも衝撃的だったし、そのあと、メンタリストのDaiGoを真似しようと思ったのだけど、じつは、DaiGoのYouTubeの中身の9割は、恋愛とダイエットと見極め、自分には無理と決めた。

   ここまでの中田氏の話だけでも、その明確な分析に感心をしていた。

   そして、とにかく教育系を始めようとした時に、技術はプロに頼んで、パーセントで収入を決めて、運命共同体にして、しかも、毎日更新と決めた。すると、月に15日、午前から勉強して、夕方には「幸福洗脳」のショップの裏で収録する。動画の2本分を撮るために、他の仕事を減らしていった。

  さらにYouTubeだけだと、プラットフォームが急に何か言ってきたら、こわい。そこだけに依存はできない。

   だから、オンラインサロンをつくった。それは、会員になると、収録に参加できる。月に6000円。高いと思われるかしれないが、月に15本のライブの値段と思えば、安いはず。

  そして、そこで定額を確保することによって、YouTubeの広告収入だけに頼る怖さが減って、さらには、この収録は、ショップの裏で行い、それを見た後だから、そのショップのTシャツが10000円しても買っていく、そのことで収入を確保する、という言い方をしていた。

   なんだか、すごい。

   そのTシャツを着ると、迫害される感じになるが、それは宗教の歴史と似ていて、1ヶ月に一度、幸福洗脳の集会があって、そこに集まると、いい笑顔なんです、と中田氏は、笑いまでとっていた。

参加者の鋭い質問

 ここまで一気に1時間以上、ずっと話し続けていて、勢いが衰えなくて、ハヤカワ五味氏も、質問を入れて、さらに加速する、というパターンで、密度が濃くなる一方の時間だった。

 そのあとに何人か質問をする人がいて、一人は福岡から来た若い男性で、「今何をやれば?」という質問をして、壇上の二人は「圧倒的なものが一つあれば」を異口同音に話して、「それはなんでもいいのだけど、そのことを30秒くらいの動画にまとめて持ち歩いていれば、どこでも採用されますよ」という返し方もしていた。そして、二人とも知識は大事といっていた。

 他の質問もかなり切実で、その上で真剣だったから、頭の良さを感じ、それが、若い人ばかりだったので、なんだか未来が明るくも見えた。こうしたトークショーのような場所で、これだけ積極的で、さらに、質の高い質問が出る経験は、ほぼ初めてだった。


 さらに、とても勝手な要望だけど、できたら、自分が優秀であるというのは実は恵まれたことだから、その頭の良さを、自分や家族や仲間だけでなく、さらに世のために使える人が増えたらいいのに、などと思っていた。

 その時の「公開収録」では、集合写真も撮った。とても小さく、後ろの方に、自分も写っていると思う。

2022年現在

 ハヤカワ五味氏のラジオ番組は、2021年で終わった。

 2022年、中田敦彦氏は、海外に移住し、芸能人というより、YouTubeの成功者として、コロナ禍にも関わらず、3年前の公開収録で話していた「未来」にいるように思う。あの時の話は、まるで予言のようだった。

 そして、久しぶりにテレビで見た中田氏は、とにかく話したい人だというのが、改めてわかった。だから、3年前に公開収録でみた姿も、あれだけ話をして疲れないのだろうか、といった心配などは、大きなお世話だったのも知った。


 さらに、あのとき、質の高い質問をしていた人たちの未来も、やっぱり少し気になる。優秀な人は、ちゃんと力を発揮できる場所にいて欲しいし、余計なことだけど、そのうちに世のためにも、その能力を使ってほしい、と思っている。




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